2018 Fiscal Year Research-status Report
Empirical Study of Interaction between Indigenous Traditional Knowledge and Modern Knowledge
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17KK0036
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
友永 雄吾 龍谷大学, 国際学部, 准教授 (60622058)
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Project Period (FY) |
2018 – 2020
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Keywords | 先住民族と教育 / スタディツアー / 先住民族と人権 / 自己決定権 / 先住権原 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度の研究実績は以下の通りである。 1.長期国外研究員として受入てもらうための打ち合わせ:①8月27日はオーストラリア国立大学を訪問し、N.Peterson教授、P.Guinness教授、F.Merlan教授、T.Morris-Suzuki教授と会合して受入の許可を得た。②8月29日はメルボルン大学で開催されたシンポジュームMulticultural Japan: diversity and inclusionに参加し、そこでA.Tokita教授とR.Mouer名誉教授と会合し、モナッシュ大学での研究員としての受入の相談をした。③8月30日にはメルボルン大学のT.Onus講師と会合し、受入れの相談をした。④2018年12月5日にジャームズ・クック大学で開催された学会で発表する傍、ジェームズ・クック大学のM.Nakata教授と面談する予定であったが、時間調整ができなかった。
2.学会やワークショップでの発表:まず、①2018年12月5日にジャームズ・クック大学で開催されたAustralian Anthropological Societyにて先住民の集団の権利に注目した発表をした。次いで、②2018年2月18日にInternational Workshopを龍谷大学にて開催し、そこで尾本恵市東京大学名誉教授とフィリピンの先住民ママヌアのリーダーを招聘し、各自のテーマについて発表した。更に、③2018年2月21日には聖心女子大学にて開催されたRound Table Talksにて発表をした。
3.出版物:①2018年2月に単著『スタディツアーの理論と実践:オーストラリア先住民との対話から学ぶフォーラム型スタで史ツアー』を明石書店から出版した。②2018年3月に論文「自己決定権と先住民」を『国際文化研究』23号に掲載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究機関の受入い状況としては、オーストラリア国立大学から受入の許可を得て、4月にオーストラリア移民局から2020年3月から13カ月間を滞在できるVISAが発行された。 学会やワークショップでの発表は、①2018年12月5日Australian Anthropological Society2018のFission and collision:disputation over native title boundaries and group membershipにてDisputaton after the Yorta Yorta Native Title caseを発表した。また、②2月18日のInternational Workshop:Indigenous Peoples and Human Rightsを龍谷大学にて開催しIndigenous Australians and Human Rightsと題する発表をおこなった。さらに、③2018年2月21日のRound Table Talks:Hunter-Gatherers of the World nowにてAboriginal people in Australia at presetnと題する発表をした。 論文は、①2018年2月28日に単著『スタディツアーの理論と実践:オーストラリア先住民との対話から学ぶフォーラム型スタで史ツアー』を明石書店から出版した。また、②2018年3月10日に論文「自己決定権と先住民」を『国際文化研究』23号に掲載した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後のさらなる研究の展開としては、先ず、オーストラリア国立大学を研究拠点とし、キャンベラ、メルボルン、ブリスベンなどの大学や機関が先住民と共同で展開する「環境」、「教育」、「芸術」に注目して実施する「伝統知」と「近代知」の相互作用に関するプログラムについて詳しく調査する。 まず、①オーストラリア国立大学では、本年度に当該大学の研究者を龍谷大学へ招聘し、オーストラリア先住民が「環境」を管理する際の知の相互作用について報告いただく国際シンポジュームを開催する。次いで、②メルボルン大学では、先住民族芸術を扱うWillinセンターの活動について同センター講師らが展開するオペラや舞台演劇、さらには映画などのビジュアル・アートを先住民族の口頭伝承と融合させ実施するプロジェクトについて調査する。③更に、当該大学にて2004年から先住民の研究者が学生に対して、先住民コミュニティーでのフィールドワークを展開するスタディツアー(On Country LearningL)について調査する。最後に、③ジェームズクック大学では、アボリジナル及びトレス海峡諸島民研究センターの教授らが2009年から国会図書館と共同で実施する、植民地期以降の先住民族に関する資料アーカイブ化の現状について調査する。 上記成果と一昨年度にまとめた報告書(International Workshop: Rethinking Interaction between Indigneous Traditional Knowledge and Modern Knowledge)に基づき、2021年3月に英語での共編著書を出版する予定である。
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