2019 Fiscal Year Research-status Report
Empirical Study of Interaction between Indigenous Traditional Knowledge and Modern Knowledge
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17KK0036
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
友永 雄吾 龍谷大学, 国際学部, 准教授 (60622058)
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Project Period (FY) |
2018 – 2020
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Keywords | 先住民の伝統地 / 先住権 / 先住民族と国際法 / 先住民族と遺骨返還 / 共同管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は以下のことを実施した。 1.国内外の学会やシンポジュームでの発表 ①2019年7月にライデン大学で開催されたThe 11 ICASのパネル“Diversity in Migration to Japan and Pacific Region:Theoretical and Policy Challenges”のコンベナーおよび発表をした。そこでは植民地時代におけるオーストラリア先住民族と移民との接触、そうした出自をもつ現在の先住民族の個人史に注目した。②2019年12月、International Workshop“Call and Response in Indigenous Research:Cases from Australia and Japan”を龍谷大学グローバルアフェアーズ研究センターと共催し、クィーンズランド大学と北海道大学から人類学者を招聘した。そこでは、オーストラリア先住民族とアイヌ民族について、土地権、言語教育、博物館学など各発表者の専門分野から「応答の人類学」というテーマに注目して議論をした。③2020年2月に国際法学者である小坂田教授が代表を務める科研プロジェクトでオーストラリアの先住民族と国際法について発表をした。 2.出版物の公表 ①『龍谷大学国際社会文化研究所紀要』に共著'Sustainable Collaborative Management for Conserving River Water Quality in Japan and Australia'を掲載した。②2020年2月に法律文化社から出版された『オーストラリア多文化社会論』に第4章「国際人権法・国際社会とオーストラリア先住民族」を寄稿した。③12月に開催したワークショップの内容をまとめ出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.学会やワークショップでの発表 先ず、① 2019年7月にライデン大学で開催されたThe 11 ICASのパネル“Diversity in Migration to Japan and Pacific Region:Theoretical and Policy Challenges”のコンベナーおよび発表をした。次いで、②International Workshop“Call and Response in Indigenous Research:Cases from Australia and Japan”を龍谷大学グローバルアフェアーズ研究センターと共催し、クィーンズランド大学と北海道大学から先住民族の専門家を招聘して議論を交わした。最後に、③2020年2月に国際法学者である小坂田教授が代表を務める科研プロジェクトでオーストラリアの先住民族と国際法について発表した。 2.出版物の公表 先ず、①『龍谷大学国際社会文化研究所紀要』に共著'Sustainable Collaborative Management for Conserving River Water Quality in Japan and Australia'を掲載した。次いで、②2020年2月に法律文化社から出版された『オーストラリア多文化社会論』に第4章「国際人権法・国際社会とオーストラリア先住民族」を寄稿した。最後に、③12月に開催したInternational Workshop“Call and Response in Indigenous Research:Cases from Australia and Japan”の内容をまとめ出版した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後のさらなる研究の展開としては、オーストラリア国立大学を研究拠点とし、キャンベラ、メルボルン、ブリスベンなどの大学や研究機関へ赴き、先住民族と共同で「環境」、「教育」、「芸術」をテーマに展開する「伝統知」と「近代知」の相互作用に関するプログラムについて現地調査を実施する。先ず、①オーストラリア国立大学では、オーストラリア先住民族と非先住民族の共同による環境管理、殊に、火付けと森林火災の関係について調査する専門家と情報交換する。次いで、②先住民族の遺骨返還に関して専門知識を持つオーストラリア国立博物館と国家先住民族センターの専門家との情報交換をする。更に、③メルボルン大学では、先住民族芸術を扱うセンターの研究者らが展開す、先住民族文化と近・現代芸術を融合させ実施するプロジェクトについて調査する。また、④、当該大学にて2004年から先住民族の研究者が学生に対して、先住民族コミュニティーでのフィールドで授業を展開するスタディツアー(On Country Learning)について調査する。最後に、⑤ジェームズクック大学では、先住民族研究センターの教授が2017年から連邦・州の各政府および全土にある国立の博物館や大学の出資を得て設立した、環境、教育、歴史に注目した国家研究所(CABAH)の主任研究員をしており、そこでのプロジェクトについて情報提供してもらう。上記の成果と2017年度と2019年度にまとめた報告書をもとに、2021年度に英語での共編著書を出版する予定である。 ただし、世界的なコロナウイルス感染拡大のため2020年3月20日から渡豪ができなくなった。このため、2020年度の前期は日本国内での文献調査と先住民族問題に関連する北海道と沖縄での現地調査を加え、オーストラリアの専門家とは遠隔通信システムを活用した情報交換をするなど、大幅な研究計画の変更も予定している。
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Research Products
(8 results)