2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17KK0037
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Research Institution | Chikushi Jogakuen University |
Principal Investigator |
川尻 洋平 筑紫女学園大学, 現代社会学部, 准教授 (70712206)
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Project Period (FY) |
2018 – 2020
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Keywords | ウトパラデーヴァ / 『主宰神の再認識詳注』 / ナーガーナンダ / 『パラープラーヴェーシカー』 / 『アンヴァヤディーピカー』 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、後代の註釈文献や写本欄外註に散在するウトパラデーヴァ著『主宰神の再認識詳注』断片を蒐集することを通じて、そのテキスト全体を可能な限り復元することを目的とする。 2018年6月から2019年3月まで、フランス・パリ第三大学へ渡航し、共同研究者であるイザベル・ラティエ博士と研究を進めた。引き続き、ラティエ博士は、Chetan Pandey氏によって提供された写本から新たに回収された『主宰神の再認識詳注』断片の校訂および翻訳を行っている。 研究代表者は、その他の写本の欄外註から回収される断片を調査している。加えて、本年度は、研究協力者の石村克氏の協力のもと、南インドの註釈文献に含まれる『主宰神の再認識詳注』の断片を調査した。チェンナイのAdyar Libraryを訪問し、南インドの伝統ではナーガーナンダの著作とされている『パラープラーヴェーシカー』及びそれに対する注釈の写本のデジタルデータを入手した。『パラープラーヴェーシカー』のカシュミールシリーズの刊本に附された脚注は、『パラープラーヴェーシカー』に対して南インドで著された二註釈と一致しないことから、カシュミールで挿入されたものと考えられる。また『主宰神の再認識偈』に対して南インドで著された注釈『アンヴァヤディーピカー』において、ティーカー(詳注)という名の著作が言及されていることが明らかになったが、これが目下の『主宰神の再認識詳注』と同一であるのかどうかについては検討を要する。これまでの所、『アンヴァヤディーピカー』には『主宰神の再認識詳注』断片は見出されていない。 以上の研究成果については、公開を準備している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
写本欄外註の蒐集に関して、研究協力者を増員して対応しており、昨年度に比べて格段に進んでいるが、依然として未調査の写本も残っている。一方、後代の註釈文献に含まれる断片については、まとまった形で発見される可能性は低いことも明らかにできた点で一定の進展は見られたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、写本欄外註の情報を蒐集し、『主宰神の再認識詳注』断片の校訂テキストと翻訳を作成する。『主宰神の再認識詳注』と断定できないものに関しては、断片か否か、別に典拠があるのかなど集中的に検討する。また南インドの註釈文献『アンヴァヤディーピカー』に言及されるティーカーが、『主宰神の再認識詳注』であるのか否かを検討する必要がある。 状況が許せば、フランスへ渡航あるいはラティエ博士を招き、研究会の開催を計画している。
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