2023 Fiscal Year Annual Research Report
The State Counterinsurgency Strategy and its Constraints
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17KK0045
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
大林 一広 一橋大学, 大学院法学研究科, 教授 (30598149)
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Project Period (FY) |
2018 – 2023
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Keywords | 内戦 / 議会 / 暴力 / 紛争 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、紛争の動態に対する議会の影響を分析することである。特に、議会・議員の行動が国家の対反乱政策や国内紛争にどのような影響を与えるのか、分析を行う。議会が紛争に与える効果は、政治制度などの国内要因と援助などの国際的な要因の双方に依存すると考えられる。このため、複数の事例について、国内・国際双方の要因の影響を勘案しつつ、分析する。その際、質的分析と計量分析を組み合わせる。 R5年度は、一橋大学にてデータの収集と分析、論文執筆と投稿を進めた。その間、秋に米国のジョージワシントン大学に滞在し、共同研究者等と意見交換や分析の修正、論文執筆を行った。 コロンビアの事例の計量分析の結果を踏まえ、米国のアメリカ政治学会の年次総会にて研究報告を行った。議会における議員の発言が反乱軍などの非国家アクターによる暴力に与える影響について報告を行い、コロンビア特有の状況と分析結果の一般化可能性との関係などについて助言を得た。 また、フィリピンの事例についての論文の投稿を進めた。更に、同事例については、議員に対する市民の期待や評価について分析するため、同国にてサーベイ実験を行った。収集したデータについては、分析と論文執筆を進めている。暫定的な発見として、回答者の選挙区において反乱軍による市民に対する暴力が発生した際、地域選出議員が和平協議の推進を求める発言をした場合でも、和平協議の停止と対反乱政策の強化を求める発言をした場合でも、市民の評価に大きな違いはないことを確認した。これに対して、議員が紛争に関する発言を行わなかった場合、その議員に対する市民の評価は低くなった。 この他、イタリアのCollegio Carlo Albertoにて政治学や経済学の研究者と意見を行い、最新の研究状況について情報収集すると同時に、上記の各研究について助言を頂いた。
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[Int'l Joint Research] オックスフォード大学(英国)2018
Year and Date
2018-11-01 – 2019-08-22
Country Name
UNITED KINGDOM
Counterpart Institution
オックスフォード大学
Co-investigator Overseas
Annette Idler
Department
戦争の変容センター
Job Title
Director of Studies
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