2018 Fiscal Year Research-status Report
Dissensuss / consensus - handling of disagreement in dialogical learning
Project/Area Number |
17KK0046
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
田中 伸 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (70508465)
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Project Period (FY) |
2017 – 2019
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Keywords | 社会科教育 / 社会問題学習 / コミュニケーション理論 / 教育方法論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日英の子どもたちによる問題解決や社会問題に対する思考過程の違いを分析し、彼らの思考過程に基づき、対話を方法原理とした論争問題学習の方略を開発する。具体的には、第1に論争・議論(合意が出来ない状況)における子どもの思考過程を日英で調査し、第2に本領域を先駆的に進めている英国の研究者と共に日英の提携校で①を活用する論争問題学習(年間カリキュラム)を開発・実践し、第3に合意の不一致を子ども自ら調停する論争問題学習モデル(目標・内容・方法・評価の一体的教育論)を日英共同で開発・検証する。本研究は、上記3点を通して、子どもの思考過程を活用・応用するための授業開発研究の方法論(社会系教科における論争問題学習開発の方略)の開発・提案を目指すものである。 本年度は、2018年4月より1年間、英国リーズベケット大学にて在外研究を行なった。英国では、当該領域を先駆的に進めているMichalis Kakosによる対話的実践の研究を英国リーズにある提携校への実地調査を通して調査・分析し、当該教育論の原理(目標・内容・方法・評価が一貫した理論)を解明した。 また、上記と並行し、社会問題を扱う授業における子どもの思考過程、及び当該問題に対する調停の仕方を調査・分析・モデル化し、彼らの思考モデルを活用した論争問題カリキュラムを開発し、英国およびヨーロッパの学会において、成果の一部を学会発表の形で公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年間、リーズ・ベケット大学に所属をすることで、学校において継続的なフィールドワークを行うことができた。通常、英国では学校調査が制限されており、調査が困難なことが多いが、英国の大学所属であったことから、英国の学校が求める倫理審査も承認され、十分な調査を行うことができた。また、リーズ・ベケット大学、および年間を通して調査を行なった中等学校とは引き続き連携を取ることができる体制となっているため、本年度も継続的に調査を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
社会問題を扱う授業における子どもの思考過程、及び当該問題に対する調停の仕方を調査・分析・モデル化し、モデル単元を開発し、日英の両国で実践する計画である。日本は岐阜大学教育学部附属中学校を対象とし、英国は提携校での実践を予定している。実施・開発したカリキュラムを実施する領域は、主に英国(シティズンシップもしくは歴史)、及び日本(社会科)を予定している。実施後は、モデルの効果と課題を検証する。 なお、昨年度は2度、国際学会で成果を発表したが、本年度も関連する国際学会で発表する予定である。
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