2018 Fiscal Year Research-status Report
賃金分布と資産分布の決定メカニズム:企業の異質性を導入した労働サーチ理論の分析
Project/Area Number |
17KK0047
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
荒渡 良 同志社大学, 経済学部, 准教授 (20547335)
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Project Period (FY) |
2018 – 2020
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Keywords | 労働サーチ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度には令和元年9月からの渡航に向けて,主に研究活動の準備を行った.本研究課題の目的は「家計の最適貯蓄行動と資産市場の均衡」と「就業者の求職活動 (On-the-Job-Search)」を導入したマクロ経済モデルを用いて賃金格差・資産格差の決定メカニズムを理論的・数量的に明らかにすることにある.いくつかの先行研究で示されているように,企業の生産性には大きな異質性があり,かつその異質性はマクロ経済における雇用・生産の形態に重要な意味を持つ.企業の生産性の違いはそこで雇用されている労働者の賃金を決定づける最も重要な要素の一つであるため,全ての企業が同質であると仮定している基課題のモデルでは賃金分布・資産分布の決定メカニズムを完全に捉え切れているとは言えない.そこで,国際共同研究では基課題のモデルに企業の生産性の違いを導入したモデルを構築・分析し,企業の生産性分布の違いが長期均衡における賃金格差・資産格差にどのような影響を及ぼすのかを理論的・数量的に明らかにすることを目的としている. 平成30年度には研究を実施する準備として,数値解析の方法に関する検討を行った.労働サーチを組み込んだマクロ経済モデルでは多くの場合,数値解析による解の導出と比較静学を行う.本研究課題でも同様の方法を採用する予定であるが,これまでに試した方法では適切に解が求められないことが分かっていた.そこで,平成30年度には別の方法を模索した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題に関する研究が順当に行われており,かつ成果も出ているため.
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年9月に渡航するため,それまでは現地での研究体制を整えるための準備を行う.また,今後は分析モデルの内容を更に見直し,渡航後に本格的に研究を開始する.
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