2018 Fiscal Year Research-status Report
グローバル経済における生産プロセスの変化と技術革新に関する動学分析
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17KK0048
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
馬 岩 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (10403221)
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Project Period (FY) |
2018 – 2019
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Keywords | グローバルサプライチェーン / タスク貿易 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、グローバリゼーションによるグローバルサプライチェーンの形成についてタスクの特性とタスク間の関係、特に、タスクの重要性とタスク間の補完性が果たす役割を解明することを目的とする。また、技術革新によるタスクの重要性とタスク間の関係の変化がグローバルサプライチェーンと経済厚生に与える影響を精査することも目的とする。 今年度はタスクの重要性とタスクの補完性がグローバルサプライチェーンの形成に与える影響を考察できる理論の枠組みを組み立てた。それに基づき、すべてのタスクが同じ重要さを持つ場合に、タスク間の補完性により、すべてのタスクが同じ場所で生産されるべきであることを明らかにした。タスクの重要さというのは、生産量1単位を生産するために、そのタスクの貢献度を指す。タスクの重要さが違う場合に、相対的に重要ではないタスクが生産費用の低い途上国に移転されるということを解明した。これは比較優位の効果よりタスクの補完性の効果が強いということにより説明できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年9月の共同研究開始から、取り組んでいる理論分析の結果を国際コンファレンスで報告し、次年度への準備も順調に進んでいるため、おおむね計画通りに進んでいると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度の9月からも引き続き、Vanderbilt Universityを訪問し、Eric Bond教授との共同研究を進める。
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