2019 Fiscal Year Research-status Report
Elaborating adaptive moral codes in mutual surveillance systems
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17KK0055
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
岡田 勇 創価大学, 経営学部, 准教授 (60323888)
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Project Period (FY) |
2018 – 2020
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Keywords | 間接互恵性 / 進化ゲーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は課題1を遂行した。 [課題1] 単独観察法を用いた間接互恵性の適応的なモラル・コードの体系的理解 課題1では単独観察法によって、完全観察を仮定しない間接互恵性において適応的なモラル・コードの体系的理解を試みる。具体的には、(1-1) 行動エラーや評価エラーを想定したパラメータ空間を設定したモデル化を行い、(1-2) 主要5規範(Image-scoring, Simple-standing, Stern-judging, Shunning, Staying)を含む系について、進化的安定性や収束安定性などを解析することで適応的なモラル・コードについて体系的に理解する。またこれらの成果を論文として発表することを予定し、これらを予定通り遂行できた。 具体的には、「岡田勇, 社会的ジレンマに適応的な規範の計算社会科学:理論・実験・シミュレーションの統合, 社会情報学 8(2), pp.19-33. 2019(12)」や「Okada I, Yamamoto H, Uchida S. Hybrid assessment scheme based on the stern-judging rule for maintaining cooperation under indirect reciprocity. Games 11(1), 13. 2020(2) 」といったなどの査読付き論文への掲載を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り遂行できたので。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は課題2を遂行する予定である。 [課題2] 相互監視システムの形態に応じた適応的なモラル・コードの精緻化。 課題1の成果を踏まえ、現実的な相互監視システムを想定したモラル・コードの精緻化を行う。具体的には、(2-1) 相互監視システムを取り扱うため、監視の程度や規模を変数化したり、複数のモラル・コードの共存した環境を想定したりしたモデル化を行う。(2-2) 個体ベースシミュレーションを用いて分析する。これはプレイヤーの集団をコンピュータ上に実装し、あるルールに従ってプレイすることで、適応的なモラル・コードを解析する手法で、解析が困難な系を扱うことができるため適切な手法といえる。(2-3) 分析をまとめ、相互監視システムに適応的なモラル・コードについて理論的観点からの精緻化を行うとともに、成果を論文として発表する。
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