2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elaborating adaptive moral codes in mutual surveillance systems
Project/Area Number |
17KK0055
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
岡田 勇 創価大学, 経営学部, 准教授 (60323888)
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Project Period (FY) |
2018 – 2020
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Keywords | 間接互恵性 / 進化ゲーム / 協力の進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
予定通りウィーン経済経営大学に客員教授として赴任し、研究計画に基づいた研究活動に従事し、一定の成果を上げることができた。さらに、同大学の研究者らと濃密な人的ネットワークを構築することができ、現在に至る共同研究を遂行中である。 本研究では、理論的なアプローチによって、相互監視システムにおいて安定的な社会秩序が維持されるためのモラル・コードを明らかにした。とくに本研究の契機となった基課題において開発に成功した単独観察法という新たな分析手法を、これまでの安定的な社会規範を含む規範集合に網羅的に適用した社会シミュレーションを行い、私的観察という一般的な仮定における特徴を抽出できたことは特筆すべき成果と考える。この内容は Scientific Reports への単著論文の掲載につながり、間接互恵性研究の一つの重要な知見として世界的にプレゼンスを得ることができたと考えている。 また、関連して間接互恵性研究に関する広範なレビュー論文を作成し Games に単著論文として掲載した。この手法の応用として、ビットコインをはじめとする暗号経済ネットワークの基盤技術をなすブロックチェーンにおける理論的脅威と考えられているマイナーのジレンマ問題に適用し、その解決手法の提案を行うなど、新たな国際共同研究課題とその遂行に結実している。他にも、道徳規範への応用可能性を認識したことで、アルゴリズム的偏見への新たなアプローチの提案につながっており、これは申請者の別の科研研究となっている。
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