2021 Fiscal Year Research-status Report
Faith and Social Engagement of Muslim Women in Malaysia: Informatization, Identity and Agency
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17KK0057
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
安達 智史 近畿大学, 総合社会学部, 准教授 (90756826)
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Project Period (FY) |
2018 – 2022
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Keywords | マレーシア / 性差をめぐる認識 / リーダーシップ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、マレーシアのムスリム女性を対象に、信仰と社会参加がどのような理路のもとで彼女たち自身の手により関係づけられているのかについて、社会学・文化人類学およびフェミニズムの方法・視座を通じて明らかにすることを目的としている。 本年度は、これまでの調査の振り返りをおこなった。具体的には、研究協力者であるMalay UniversityのDR. ROSILA BEE BINTI MOHD HUSSAIN氏と月1度のミーティングをおこない、マレーシアで実施した大学生を対象にしたフォーカス・グループによる調査データについての検討をおこなった。 そこで、下記の点が明らかとなった。第一に、女性性/男性性をめぐる一見関係のない複数の性質をめぐる認識が互いに有機的に結びつきつつ、性差をめぐる認識の体系を構成していること。第二に、そうした性差をめぐる認識は、弾力性を有しつつも強固に組織化されており、「しなやかな体系」と特徴づけられること。第三に、男性性と「リーダー」役割とが密接に結びつく一方で、女性性は「フォロワー」ではなく「マネージャー」としての役割と親和的であること。そして第四に、属性の違いが参加者による性差とリーダーシップの関係づけに影響を与えていること、である。 以上の結果を踏まえ、今後は、性差をめぐるステレオタイプを含め、女性の社会参加をめぐるさまざまな制約に対して、柔軟に、そしてしたたかに応答し、地位達成を実現している女性の「エージェンシー」に焦点を合わせた研究を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Covid-19の流行により、現地調査をおこなえなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
期間を延長し、補足調査を実施する。
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Research Products
(6 results)