2021 Fiscal Year Research-status Report
Rethinking about legal approaches to Gift : Researches on French family law and charity law
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17KK0063
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
齋藤 哲志 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (50401013)
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Project Period (FY) |
2018 – 2022
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Keywords | 贈与 / フランス法 / 家族財産 / 夫婦財産法 / 夫婦間贈与 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度も例外的状況に左右された。昨年度の延長申請の際に想定していたフランス出張は、感染症の状況により複数回の先送りを経て2022年3月に実施する予定であったが、今度は国際情勢により予約便キャンセルの憂き目に遭い、結局叶わなかった。それでも、共同研究者との意見交換はメールおよびビデオ会議にて継続している。また、年度初めの所属機関変更に伴う研究室移転も、取りまとめを遅延させる要因となった。幸いにも再延長の許可を得たところであり、限られた期間ではあるが挽回に努めたい。 その一方で、本研究に関連する成果をいくつか公にすることができた。なかでも、同世代の研究者と研究会を組織して取り組んできたフランス夫婦財産法の共著書が特筆される。昨年度報告書に挙げた共編著書『現代フランス法の論点』中での論文では直系尊属/卑属間の「垂直的贈与」を主題としたが、今回の共著書では夫婦間・非婚カップル内の「水平的贈与」を扱っている。両成果は互いに補完し合う関係にあり、家族内贈与の全体像の解明については本研究の所期の目的を達することができたと評価してよいであろう。 これに加えて、わが国の家族をめぐる法制度・法政策を「Solidarite」の観点から掘り下げた仏語共著論文がある。2019年の国際研究集会での報告を基にするものであるが、出版にあたって本研究で得られた知見を随所に反映させた。本研究が掲げる日仏の社会比較の実践、および国際発信に資するものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記のとおり、成果の還元は継続できている。しかし、本体部分の調査が叶わなかったことから、昨年度に引き続き「やや遅れている」との評価を付した。
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Strategy for Future Research Activity |
再延長期間中に、海外出張を計画し、共同研究者の打ち合わせ、インタビューを行う。本研究費の残額は小さいが、学会報告のための他機関負担旅費と組み合わせるものとする。なお、共同研究者のうち1名は別予算にて来日予定であり、取りまとめに向けた継続的なコンタクトを確保することができる。
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