2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of a motor learning support algorithm based on the functional brain network analysis during cooperative motor learning
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17KK0064
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
近藤 敏之 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60323820)
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Project Period (FY) |
2018 – 2020
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Keywords | 協調運動学習 / エージェント / 事象関連脱同期 / 運動主体感 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,二者が協調して運動学習を行う際の脳機能ネットワークの解析に適した協調運動学習課題の設計に取り組んだ.その要求仕様として,(1)ペアを組む相手の熟練度が課題成績および他の新規の相手と組んだ場合の適応性に及ぼす影響を調査できること,(2)運動課題が脳計測にアーティファクトとして影響を及ぼさないこと,の2点を考慮する必要がある.これに対し本研究では,二者協調による物体操作課題を考案した.この課題は,操作対象である物体のダイナミクスと協調相手の操作力から計算される手先反力に基づいて自らの操作力を決定する協調運動学習課題である. まず予備的検討として,力覚提示を省略した視覚フィードバックのみのバージョンで協調運動学習実験を実施し,ペアを組む相手の運動技能の違いが,協調運動学習の運動成績に及ぼす影響を評価した.具体的には,二者がそれぞれ利き手で操作するcursorと仮想バネで繋がれたobjectを協調して動かすことでtargetまで到達させるものである.ただし,各自の最適行動を探索的に学習させるため,objectには未知外力が作用するものとする.また前述の目的を達するため,被験者は初心者(Novice)同士で訓練するNN群と熟練者(Expert)と組んで訓練するNE群に無作為に分ける.協調運動学習の評価指標には,総運動時間とobjectの総移動距離の積を用いる.予備実験の結果,熟練者とペアを組んだ場合(NE群)よりも,自身と同程度のレベルの者とペアで組んで協調運動学習を経験した初心者(NN群)の方が,学習後に,別の初心者と組んだときの成績が有意に高く,汎化性に優れることを明らかにした.この結果は,IEEEの国際会議MHS2018(名古屋大学,12月)にて報告した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H30年度は,本務で学科長,専攻長,部門長,学科改組担当委員などを併任し,長期の海外出張がほぼ不可能な状況であり,海外共同研究先の英国・レディング大学に,のべ18日間しか訪問することができず共同研究の立ち上げが遅れた.しかしながら,海外共同研究者のYoshikatsu Hayashi博士と博士課程学生のNicolas Thorne氏が,2018年12月に,国際会議参加のために来日され,その間に複数回の研究打ち合わせを行うことができたことからこの遅れをカバーすることができた. 現在までに,日本側では協調運動学習の実験課題の予備的検討を終え,本実験に向けた実験仮説の妥当性を確認した.また,University of Reading側では,協調運動学習で二者の運動をソフトウェア的に結合するためのハプティックシステムを開発した. 以上のことから,本研究はおおむね順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は,のべ5ヶ月の英国滞在を予定しており,共同開発したハプティックロボットの制御プログラム開発と,二者協調運動学習の予備実験を実施する予定である.すでにハードウェアのプロトタイプは完成しており,ロボットの制御アルゴリズムについても検討が終了しているため,渡英後すぐにプログラムの実装に着手する.
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