2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a motor learning support algorithm based on the functional brain network analysis during cooperative motor learning
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17KK0064
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
近藤 敏之 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60323820)
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Project Period (FY) |
2018 – 2020
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Keywords | 協調運動学習 / エージェント |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は,日本側(東京農工大学)と英国側(University of Reading)の両方で,ハプティックロボットを用いた協調運動学習実験に着手した. 具体的には,英国側では,熟練度が異なる被験者二名をペアとした協調運動課題における個の運動スキルの学習過程を調査する実験を行った.実験は研究代表者が共同指導する博士課程学生のOzge氏が担当して行った.この実験パラダイムでは,環境に設定された未知外力と協調相手という,被験者にとっては二重の未知ダイナミクスが存在する.個の運動学習課程を明らかにするため,被験者を二群に分け,一方は環境ダイナミクスがある状態を先に経験し,その後,それが無い状態で経験させた.他方は逆の手順で実施した.実験の結果,未知環境のダイナミクスが無い状態で協調運動学習を開始した群は,その間にペアとなる相手のダイナミクスを同定したことで,その後の二重ダイナミクスがある状態の学習を通じて,環境ダイナミクスを分離して獲得できることを示唆する結果を得た. 一方,日本側では,ペアとなる相手の運動制御を数理モデル化し,人間とロボットの協調運動学習経験が,個の運動スキル学習過程に及ぼす影響を実験的に調査した.ペアとなるロボットエージェントの制御アルゴリズムを,4種(熟練者エージェント,初心者エージェント,レベル向上エージェント,レベル調節エージェント)を構築した.レベル向上エージェントは,被験者の成績によらず一定の時間スケールでレベルを上げるものであり,レベル調節エージェントは,被験者の成績に基づいて階段法でレベルを上げ下げするアルゴリズムである.被験者を4群に分けて4つのロボットと協調運動学習を行う前後で,被験者の単独試行の運動スキルを評価した結果,被験者の熟練度に合わせてレベルを段階的に調節する群の被験者が,有意に優れた運動スキルを発揮することを確認した.
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