2019 Fiscal Year Research-status Report
Neural and pharmacological mechanism of drug addiction through negative reinforcement
Project/Area Number |
17KK0074
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
神前 裕 早稲田大学, 文学学術院, 准教授 (80738469)
|
Project Period (FY) |
2018 – 2020
|
Keywords | 薬物依存 / 連合学習 / 道具的行動 / 習慣 / 強迫性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ラット・マウスの道具的行動を対象として行動神経科学的研究を行い、薬物探索・摂取行動が習慣的になるメカニズムを解明することであった。この目的のもと、以下の3つの研究を行った。 まず、ラットを用いて習慣形成における強化スケジュール要因を検討した。VIとVRスケジュールについて、パラメータを変えながら複数回の実験を行ったが、先行研究で報告された習慣形成の差は観察されなかった。習慣過程を検収する手法として強化子の低価値化を行うが、この際に事前給餌を用いる問題点が最近報告されており(Bouton et al., 2020)、この点を考慮する必要性が示唆された。 次にメタンフェタミン(覚醒剤、以下METH)の慢性投与による習慣形成促進を検証した。METH慢性投与後、レバー押しをショ糖溶液で強化する道具的訓練を行い、1) 低価値化に対する影響、2)R-O随伴性低下への影響を検証した。生理食塩水統制群に比べMETH群では低価値化への感受性が低く、逆に随伴性低下により早く追従して反応低下を示す傾向が見られた。 この研究で見られた結果の乖離を説明するため、習慣形成ではS-O学習がR-O学習を隠蔽しMETH投与は前者を亢進させるとの仮説を立て、次にこれを検証した。強化・消去期間が交互に現れる多元スケジュールでの訓練後、S+に対する文脈条件づけの獲得水準を2群で比較した。結果として群間に有意差は見られなかった。しかし習慣形成の微視的メカニズムについて核心的な結果を提供する可能性のある実験であり、実験変数を変更して追加検証を行う必要がある。 さらにラットの薬物自己投与実験についても共同研究機関であるケンブリッジ大学にて実施予定であったが、渡航中の2020年2月半ばに新型コロナウィルスの影響で現地ラボが閉鎖されたため、これについては実施が中止となった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年1月末から英国ケンブリッジ大学に渡航し、現地での共同実験の準備を開始したが、2月半ばに英国での新型コロナウィルス感染拡大により実験施設が閉鎖され、実験が中止となったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
2020年度の計画として、2020年7月から9月、および2021年1月から3月に英国ケンブリッジ大学にて実験を実施する予定であったが、新型コロナウィルスの影響で現地ラボが閉鎖されたままであるため、計画の変更を余儀なくされている。現地で行う予定であった実験を、可能な範囲において日本の所属機関にて実施することを予定している。その際にはメールやオンライン会議システムを通じて共同研究者と密接に連絡を取りながら実施する。
|
Research Products
(10 results)
-
[Journal Article] En route to delineating hippocampal roles in spatial learning2019
Author(s)
Poulter, S., Austen, J. M., Kosaki, Y., Dachtler, J., Lever, C., & McGregor, A.
-
Journal Title
Behavioural brain research
Volume: 369
Pages: 111936-
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-
-
-
-