2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17KK0087
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山崎 雅人 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 准教授 (00726599)
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Project Period (FY) |
2018 – 2021
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Keywords | 可積分系 / チャーン=サイモンズ理論 / 超弦理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度は本研究における海外渡航の受け入れ教授であるカナダペリメーター研究所のKevin Costello氏と共同で論文を発表し、4次元チャーン・サイモンズ理論の立場から既存の2次元場の理論の古典可積分性を説明すると同時に、新たな可積分系模型を構成するなどの成果を挙げた。本年度はその研究を発展させ、量子可積分性についての新たな成果を得た。その詳細については現在未発表であるので詳述は控えるが、さらにその成果を発展させ今後論文として公表したいと考えている。また、以前本研究費によりペリメーター研究所に滞在したときにCostello氏の学生と議論し、現在共同研究を進めており、発表するに値する成果をすでに得ているが、さらに論文の質をあげるべく現在関連した研究を継続中である。特に、新しい種類の可積分模型を発見できないかを系統的に研究している。 また海外渡航の副産物として、筆者の周りでも独自に新たな研究を進めている。例えば、筆者は最近中国のWei Li氏、またIPMUのDima Galakhov氏と共同でQuiver Yangianという新しい代数を発見し、その表現をcrystal meltingの言葉で構成した。この代数および表現は、より幾何的にはtype IIA超弦理論をトーリック・カラビ=ヤウ多様体の上でコンパクト化したときに得られるBPS状態のなす代数であると考えられ、筆者が博士課程時代に研究していた「BPS状態の数え上げとcrystal melting」の研究を代数の立場から再構成するものとなっている。このQuiver Yangianはその名の示す通りYangianの拡張(より正確にはaffine Yangianの拡張)になっており、一種の可積分構造であり、本研究にそって高次元のチャーンサイモンズ理論からそれが説明できるかが新たな問いとして浮上してきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究はアメリカ・プリンストン高等研究所およびカナダ・ペリメーター研究所に長期に渡り滞在し、そこでの研究者と直接議論することで共同研究を飛躍的に進めることを目的としていた。しかし、コロナの影響でそもそも海外渡航が困難になり、また北米では研究所が完全に閉鎖されるなどの影響が出たほか、共同研究者も子供の学校が休止となり自宅での対応に追われるなど、さまざまな変化があったため、計画を変更して期間を一年延長することとした。 しかしその一方で、2019年度の本研究費によるペリメーター研究所滞在中にたまたま同研究所に滞在していたWei Li氏と共同研究を開始し、当初計画に全くなかったBPS状態の数え上げとその背後にある代数についての研究を開始することができた。これは新しい可積分構造の発見と行ってもよく、本研究の立場からするとチャーン・サイモンズ理論から説明されるべき新たな結果と新たな問いが生み出されたことになる。現在その方向で研究が進んできており、本研究は当初研究時点では予期しなかった広がりを持つに至っている。この意味で当初計画以上に進展していると判断することは妥当であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在オンラインにてCostello氏およびその学生などと議論を進めており、その成果をできれば本年度中にその成果の一部を公表したいと考えている。今回の研究費の主たる使途である海外渡航については、コロナの状況をモニターする中で海外渡航の可能性を探っていきたい。実際、夏頃には海外渡航が現実的になっている可能性は高いと考えられ、筆者の分野でもすでに国際研究集会なども数多く計画されるに至っている。一方、4次元チャーンサイモンズ理論と可積分系の研究については世界でも少しづつ研究の広がりが見られており、例えばヨーロッパでもフランスなどのグループが関連した研究を行うなどしており、今後の研究のネットワークを広げるという意味でも渡航先を当初計画から変更する可能性も視野に入れて検討したい。いずれにせよ、共同研究についてはオンラインでのツールやセミナーなどが分野全体として整備されるに至っているので、昨年度当初に比べると状況は改善しているといえる。より具体的な研究内容については(1)Costello氏との共同研究(2) Costello氏の学生との共同研究(3) Quiver Yangianをチャーン=サイモンズ理論から説明する研究などと適宜進行状況を見ながら優先順位を変更しつつ実行していきたい。
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[Presentation] Quiver Yangians2021
Author(s)
Masahito Yamazaki
Organizer
Randomness, Integrability and Representation Theory in Quantum Field Theory
Int'l Joint Research / Invited
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