2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17KK0088
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
町田 洋 学習院大学, 理学部, 准教授 (40514740)
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Project Period (FY) |
2018 – 2020
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Keywords | フォノン流体 / グラファイト |
Outline of Annual Research Achievements |
フォノン同士の散乱が、散乱の前後でフォノンの運動量が保存される正常散乱によって支配される場合、フォノンは試料中をあたかも流体のように伝搬することが期待され、古くに純良な固体ヘリウムにおいてその現象が実験的に確認されている。 本研究は、2次元層状構造をもつ半導体黒リンにおけるフォノンの流体的熱輸送の発見を契機として、顕著な流体力学的フォノン輸送が期待される2次元層状構造をもつ固体結晶に焦点を当て、それらの熱輸送特性を系統的に明らかにすることを目的としている。 本年度は、黒リンと類似した結晶構造をもつ2次元層状物質であるグラファイトを対象に研究を行った。その結果、フォノン流体の特徴に一つであるフォノンによるポワズイユ流の兆候を熱伝導率測定から捉えた。またこの特徴が黒リンと比べて高温域で現れることを見出した。この違いはグラファイトの層間の結合が黒リンに比べ弱いことに起因している可能性が考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
黒リンと類似した結晶構造をもつ2次元層状物質であるグラファイトにおいて、フォノンの流体的挙動を熱伝導率測定から捉えることができ、当初の予定通り順調に進展している状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
フォノン流体による熱輸送の特徴である熱伝導率の試料サイズ依存性の有無をグラファイトにおいて検証し、フォノン流体の実現の可能性をさらに追及する。また熱電係数測定も行い、フォノンの流体的性質と熱電現象との関りも明らかにする。
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Research Products
(3 results)