2018 Fiscal Year Research-status Report
Aqueous environments of terrestrial exoplanets
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17KK0097
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
亀田 真吾 立教大学, 理学部, 教授 (30455464)
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Project Period (FY) |
2018 – 2020
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Keywords | 系外惑星 / 地球型惑星 / 小惑星 / はやぶさ2 / OSIRIS-REx / WSO-UV |
Outline of Annual Research Achievements |
広大な宇宙において、生命を有するのは地球だけだろうか?初期地球にもたらされた水・有機物といった始原物質を調査するため、惑星科学分野では2018年には日本とアメリカの小惑星探査機はやぶさ2、OSIRIS-RExがそれぞれ目標の小惑星に到着した。一方、天文学分野では太陽系外惑星の検出数がここ数年で爆発的に増加しており、地球と類似した環境を持つ可能性のある惑星も複数発見されている。本研究では水素・酸素原子の観測による系外惑星環境の研究を発展させ、惑星科学分野と天文学分野で独立に進められてきた研究を統合し、国際共同研究によって太陽系外地球型惑星の水環境進化の研究を進め、地球外生命誕生・進化の可能性に迫ることを目的としている。そのためにドイツ・フランス・アメリカとの共同研究により初期地球への水の供給源である小惑星の含水量推定に向け、はやぶさ2、OSIRIS-RExによる小惑星探査を中心として研究を進めた。はやぶさ2の探査対象である小惑星「リュウグウ」、OSIRIS-RExの対象である「Bennu」の両方で含水鉱物が検出されており、共同研究による含水量推定の研究成果が得られている。また、ロシア・スイスとの共同研究により強紫外線環境における地球型惑星大気進化と現在の系外惑星大気の観測手法の検討を進め、ロシアが開発中の大型紫外線型望遠鏡WSO-UVへの系外惑星観測用高感度紫外線分光器の搭載を目指し活動を行った結果、WSO-UVプロジェクト側は日本が提供する紫外線分光器WSO-UVの受入を基本方針として設計を進めており、2019年5月20日には装置受入を決定するための基本設計変更審査会がモスクワで開催される予定となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ロシアWSO-UVへの紫外線分光装置搭載が大きな目的であり、新型の高感度分光器の技術開発を進めつつ、装置設計の検討を行った結果、正式に搭載を決定する基本設計変更審査会が2019年5月20日に行われる予定となっており、本課題の大きな前進に向けた2018年度の活動は想定以上に進展していると言える。ロシアの共同研究者と、この装置開発に関する国際共著論文を出版している。また、はやぶさ2に搭載された近赤外分光装置により含水鉱物の吸収が広い範囲に検出されており、共著者として参加した国際共著論文がScience誌に受理された。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度のWSO-UV基本設計変更審査会による正式決定後に、日本から提供する紫外線分光器UVSPEXの基本設計を進め、装置開発に着手する。また、この装置で得られる観測結果の解釈に有用となる、地球型惑星高層大気モデルの構築を進め、国際共著論文としてまとめる。さらなる将来計画であるLUVOIRといった2030年代の宇宙望遠鏡計画への参入につなげるため、より大型の検出器の開発も並行して進める。はやぶさ2で開発を進めた可視分光カメラによる含水鉱物吸収分布の観測結果に関する研究を進め、近赤外分光装置の結果と合わせて論文にまとめる。
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Research Products
(11 results)