2019 Fiscal Year Research-status Report
銀河形成期における宇宙網から銀河へのガス降着過程の研究
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17KK0098
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
松田 有一 国立天文台, アルマプロジェクト, 助教 (20647268)
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Project Period (FY) |
2018 – 2020
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Keywords | 銀河形成 / 宇宙網 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、銀河形成期における宇宙網の観測による宇宙の構造形成パラダイムの検証を目的とした研究を、国際的な連携を通じて行う。基課題では、宇宙網の物理的性質(形状とガス密度)を明らかにするため、すばるの新たな超広視野カメラであるハイパー・スプリーム・カム(HSC)による撮像サーベイを行う。さらに、理論予想との徹底比較を通じて銀河形成の理解へと繋げていくためには、HSC による観測と相補的に、欧州の大型望遠鏡(VLT)や米国Keck 望遠鏡を用いた銀河へのガス降着率の測定、及び、米国NASA のジェームズウェブ宇宙望遠鏡(JWST)を用いた銀河の星質量分布と重元素量の測定を展開していくことが必須である。本国際共同研究では、米国との連携を強化し、日本からはアクセスが困難なKeck、及び、JWST を用いた観測を実行し、銀河形成と宇宙網の関係を明らかにし、宇宙における構造形成の研究の発展に貢献することを目的とする。 今年度は本研究に関連の深い、HSCを用いた赤方偏移2.84高光度活動銀河核周りの水素ライマンアルファ輝線観測結果を2019年6月付けでPASJに掲載した。また、本研究の主なターゲットであるSSA22原始銀河団中心領域(2分角x3分角)において欧州南天天文台VLTの面分光装置MUSEを用いたガスネットワーク構造の解析結果を2019年10月付けでサイエンス誌に掲載した。さらに広視野観測を目指したHSCによる観測提案書作成のために、2019年12月にカリフォルニア工科大学を訪問し、Steidel教授らと議論を行い、2020年3月にインテンシブプログラムとして観測提案書を提出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年4月からの海外渡航を予定していたが、コロナウィルスの影響で米国ビザの発給が停止し渡航開始を2020年8月以降に延期することにした。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナウィルスの状況が落ち着き次第、渡航開始ができるように準備を進める。すばるHSC観測についても、系統誤差の低減を目指し、テストデータでのフラット処理やゴースト処理について検討を進める。
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Research Products
(10 results)