2021 Fiscal Year Research-status Report
銀河形成期における宇宙網から銀河へのガス降着過程の研究
Project/Area Number |
17KK0098
|
Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
松田 有一 国立天文台, アルマプロジェクト, 助教 (20647268)
|
Project Period (FY) |
2018 – 2022
|
Keywords | 宇宙網 / 銀河形成 / ブラックホール形成 / 初期宇宙 |
Outline of Annual Research Achievements |
宇宙網は冷たい暗黒物質による構造形成理論から予想されるネットワーク構造であり、初期宇宙の宇宙網に沿って分布するガスは銀河形成の元になっていると考えられている。しかし、宇宙網から銀河へのガス流入がどのように起きたのかは観測的に明らかになっていない。そこで、本研究では、すばる望遠鏡を用いて、初期宇宙の宇宙網に沿って分布する水素ガスの広域地図を作成し、さらにケック望遠鏡や宇宙望遠鏡群を用いて、宇宙網中のガスの詳細観測を行い、宇宙網から銀河へのガス流入過程を明らかにすることである。 研究代表者は、すばる望遠鏡の重点観測プログラム「Mapping of ionizing radiation on the cosmic web with Lyα emission and shadow (MIRACLES)」を立ち上げ、主焦点カメラのハイパーシュプリームカムを用いて、広視野と深さを両立させた、これまでにない初期宇宙における宇宙網の撮像観測を開始した。プログラムは2021年2月から2023年7月までの2年半で98時間かけて行われる計画となっている。2021年度には、主に連続光のデータを取得し、得られたデータの簡易解析を行い、データ品質を確認した。 本国際共同研究によって、宇宙網の検出に必要な解析技術についての研究を実施し、さらにケック望遠鏡による深い面分光観測や宇宙望遠鏡による高解像度観測を行う予定であるが、2021年度はコロナの影響により米国渡航ができなかった。コロナの状況が少し落ち着いてきた2021年度の後半に米国渡航に向けた準備を進め、2022年度から渡航を開始する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度もコロナの影響により米国渡航ができなかった。国内において、本国際共同研究につながる研究を実施し、4編の学術論文を出版した。また、すばる望遠鏡の重点観測プログラムの代表者として、ハイパーシュプリームカムを用いて、広視野と深さを両立させたこれまでにない宇宙網の撮像観測を開始した。
|
Strategy for Future Research Activity |
コロナが少し落ち着いてきた2021年度の後半に米国渡航に向けた準備を進め、2022年度から渡航が開始可能となった。渡航中に宇宙網の検出に必要な解析技術的な研究を実施する。
|
Research Products
(4 results)
-
-
-
-
[Journal Article] FOREVER22: galaxy formation in protocluster regions2021
Author(s)
Yajima Hidenobu、Abe Makito、Khochfar Sadegh、Nagamine Kentaro、Inoue Akio K、Kodama Tadayuki、Arata Shohei、Dalla Vecchia Claudio、Fukushima Hajime、Hashimoto Takuya、Kashikawa Nobunari、Kubo Mariko、Li Yuexing、Matsuda Yuichi、Mawatari Ken、Ouchi Masami、Umehata Hideki
-
Journal Title
Monthly Notices of the Royal Astronomical Society
Volume: 509
Pages: 4037~4057
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research