2023 Fiscal Year Annual Research Report
Gas inflow processes from the Cosmic Web to galaxies during galaxy formation epoch
Project/Area Number |
17KK0098
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
松田 有一 国立天文台, アルマプロジェクト, 助教 (20647268)
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Project Period (FY) |
2018 – 2023
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Keywords | 遠方銀河 / 宇宙網 / 銀河形成 / ブラックホール形成 / 構造形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
100億年以上前の宇宙では、暗黒物質が作るリボンのようなフィラメント状の構造(宇宙網)に沿って通常物質(主にガス)も分布しており、それが銀河やブラックホールなどのもととなるガスの供給源であると考えられている。しかし、そのようなフィラメント状に分布するガスはあまり光を発しないため、これまでの観測では捉える事は難しかった。我々は、これまですばる望遠鏡、アルマ望遠鏡を含む世界中の巨大望遠鏡群を使って、形成期の銀河を繋ぐガスネットワーク構造の観測を進めてきた。本研究では、すばる望遠鏡の超広視野カメラ用に製作した特注光学フィルター(狭帯域フィルター)を使って、より広範囲でガスネットワークを観測して、銀河が形成される時代の宇宙における宇宙網の地図作成を行った。
具体的には、米国、英国、イタリア、カナダの研究者らとの国際共同研究として総観測時間98時間のすばるインテンシブプログラムを2021 年から開始し、2024年3月までに約8割の観測を完了させた。滞在先のカリフォルニア工科大学において、半年ごとに取得したデータの逐次解析と品質確認を進めたところ、当初の観測手法では、狭帯域フィルター画像に映り込む迷光を画像処理で除去できないことが明らかになった。そのため、迷光を除去することのできる新たな観測手法を考案し、その手法を用いて更なる観測を遂行した。また、多波長観測の一環として、カナダフランスハワイ望遠鏡による同じ領域をカバーする紫外線(U バンド)観測も同時並行で行った。
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Research Products
(2 results)