2018 Fiscal Year Research-status Report
Study of multiferroics by spherical neutron polarimetry analysis under high pressure
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17KK0099
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
寺田 典樹 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 先端材料解析研究拠点, 主任研究員 (60442993)
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Project Period (FY) |
2018 – 2020
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Keywords | マルチフェロイクス / 中性子回折 / 高圧力 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、マルチフェロイクス物質の1つであるデラフォサイト酸化物CuFeO2、およびペロブルカイト酸化物DyMnO3の高圧力下中性子3次元偏極解析実験をフランスの大強度中性子施設Institut Laue Langevin(ILL)のD3およびIN20ビームラインにおいて行なった。CuFeO2の実験では、以前の我々の実験において示唆されていた複数の圧力誘起強誘電相の相境界を0.7 GPaから3.7 GPaまでの圧力における実験によって決定した。測定した中性子偏極マトリックスの対角成分と非対角成分には、どちらも相転移に伴う明らかな異常が観測された。この実験によって、磁気ブラッグ反射位置が同じ同周期磁気構造間の磁気相転移を単一ブラッグ反射の温度(圧力)変化を測定することによって、その磁気相転移を観測することが可能であることが示された。これらの結果をまとめた論文は、Nature Communication誌に掲載され、ILLの年間ハイライトにも選出された。引き続きDyMnO3の実験にも着手し、これまでILLの3軸分光器IN20において5 GPaまでの中性子3次元偏極解析実験を行なっている。これまでの結果では、圧力が足りず、誘起した巨大電気分極相まで到達していないが、今後の追加実験を行うことにより、高圧力相の磁気秩序を解明する予定。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の研究計画通りに高圧力セルの最大発生圧力の向上を目指し、発生圧力とキュレットサイズの最適化を行なっている。実際にDyMnO3に関する実験では、これまでの最大圧力4 GPaを超える5 GPaの加圧に成功し、中性子実験に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度に納入したルビー傾向装置をILLに設置する算段が整っているので、それを用いてより詳細に圧力測定と圧力セルの高度化を行なって行く予定。また、2019年度に予定している実験申請も採択され圧力セルの高度化とともに、中性子本実験も並行して行なっていく。具体的には、マルチフェロイクスDyMnO3、YMnO3, SrMnGeO6の高圧力下中性子3次元偏極解析実験を行い、それらの物質のマルチフェロイクス特性の圧力効果を探査する。
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Research Products
(8 results)