2018 Fiscal Year Research-status Report
抗原の機能分離設計に基づくたんぱく質免疫応答の制御法への展開
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17KK0105
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
白石 貢一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (40426284)
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Project Period (FY) |
2018 – 2020
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Keywords | 免疫原性 / たんぱく質 / 抗原性低減 |
Outline of Annual Research Achievements |
抗原性たんぱく質として分子量130k(4量体)のuricase(from Candida sp、及びfrom Bacillus fastidiosus)を用いた。本年度は抗原性たんぱく質への高分子を結合させるために、その合成条件、及び最適化の検討を開始した。第一に、目的たんぱく質であるuricaseのフリーチオール基をDNTB法(吸光度法)により定量した。その結果、チオール基は0-1個/4 unitsであった。既報ではTCEPによるスルフィド結合の切断によるフリーチオール基生成法が用いられているが、この手法によるチオール基生成はタンパク質の構造変化を伴うため適してはいない。一方、uricaseのフリーアミノ基はTNBS法(吸光度法)によって定量し、約40個/4 unitsであった。uricaseのアミノ酸シークエンス(NCBIデータバンク)によるリシン残基は25-50程度であり、同等の結果が得られた。このアミノ基を利用するための分子設計をユトレヒト大グループと共同で設計した。まず、高分子末端とuricaseとの結合に用いる高分子末端修飾を検討した。使用した高分子末端のアミノ基に活性化基導入の条件検討を行った。高分子末端に対して修飾率は1H NMR分析により最大で84%であった。一方、uricaseのフリーアミノ基への活性化基導入検討を行い、導入数(n)は制御(n=4、6、14)する条件を見出した。現在、臨床で用いられている製剤と比較してその導入数は低い値となっているが、uricase自身の抗原性を維持しながら、目的化合物の抗原性低減効果を比較するため、この値は厳密に大きくする必要はないと考えられる。ただし、高分子とのカップリング反応効率によって、導入数は決定されるため、活性化基の最適な導入数は今後の検討課題である。また、次のステップとして高分子とuricaseとの結合実験、及び精製法の確立が必要になる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分子設計と合成条件の確立には時間を要するが、おおむね順調といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き合成の最適化実験を行いつつ、精製、及び最終生成物を得ることに焦点を置く。
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