2018 Fiscal Year Research-status Report
Creation of Integrated Material Design System on Material Lifecycle
Project/Area Number |
17KK0108
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
青柳 吉輝 東北大学, 工学研究科, 准教授 (70433737)
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Project Period (FY) |
2018 – 2019
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Keywords | 材料ライフサイクル / マルチスケール / 最先端材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
構造材料のライフサイクルは,創製から始まり,加工を経て実際に利用され,消耗による劣化,そして再生することで新たな創製へとつながる.そこで本国際共同研究では,材料ライフサイクルを視野に入れた真の材料設計システムの創成を目指し,金属材料に対する実践的CAEシステムを実用レベルの解析コードに組み込むことによって,まずは創製から加工,利用,劣化まで過程をシミュレートする統合計算材料設計システムを構築する. 本年度は,基課題で得られた微視組織の観察結果に基づいて降伏曲面を数値解析的に予測する本システムを汎用FEM解析ソルバRADIOSSのユーザサブルーチンに組み込むことに成功した.本システムを用いて,まずは単純な引張試験を想定した数値解析を行った.得られた結果を実験結果や従来結果と比較し,本システムの妥当性を検証した.その結果,超微細金属材料特有の力学異方性を巨視的に表現することに成功した.次に,加工された製品が実際に使用される条件を想定し,寿命予測シミュレーションを行った.亀裂の発生,進展などの破壊に関する現象を代表的に表現するFatigue indicator parameters (FIPs)を基課題の微視的構成モデルを用いた数値解析によって評価できるように基課題のプログラムを拡張した.FIPsは高サイクル疲労のモデリング,欠陥場の力学,金属疲労,結晶粒界における転位核生成・伝ぱに関する原子シミュレーション,材料の動的変形と破壊,塑性変形,複合材料の変形と損傷,原子炉の照射材料など幅広く精力的に研究を行っている海外共同研究者の研究に基づくものである.拡張した本システムを用いて低サイクル疲労を想定した数値解析を行い,超微細結晶粒材料の寿命を予測した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,微視組織の観察結果に基づいて降伏曲面を数値解析的に予測する本システムを汎用FEM解析ソフトウェアに導入することに成功した.材料の寿命評価に関してはFatigue indicator parameters (FIPs)を基課題で開発したマルチスケール結晶塑性プログラムに導入し,材料の低サイクル疲労強度を評価可能となり,順調に寿命評価を行うことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
本システムを用いて,塑性加工の代表的な問題である深絞りや圧延等を想定し,超微細粒鋼シートを対象として数値解析を行う.得られた結果を実験結果や従来モデルと比較し,本システムの妥当性を検証する.さらに,加工された製品が実際に使用される条件を想定し,平成30年度に構築したプログラムを用いて寿命予測シミュレーションを行う.これらのシステムを用いて,構造材料のライフサイクルにおける創生から劣化までを表現する統合計算材料設計システムを構築することを最終的な目的とする.
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