2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of sequential and reaction process with monolithic column module for small antibodies PEGylation
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17KK0116
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
吉本 則子 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (40432736)
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Project Period (FY) |
2018 – 2023
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Keywords | 断片化抗体 / 連続式反応分離システム / クロマトグラフィープロセス / アフニティークロマトグラフィー |
Outline of Annual Research Achievements |
多孔性微粒子担体に固定化したパパインを抗体の断片化反応に用いた際、反応収率は滞留時間に大きく依存した。抗体の断片化反応を行ったところ、滞留時間が短い場合の反応収率は数%にとどまった。このため最終年度では、反応収率に及ぼす温度、カラム滞留時間、pHの影響を検討した。短い滞留時間での各温度、pHにおけるFab生成収率を調査したところ、いずれのpHでも温度による収率の向上がわずかに見られ、特に酸性領域において高い収率が得られた。一方で、温度の上昇はタンパク質の構造変化を引き起こす可能性があるため、高温状態の安定性も、円二色分散系を用いて二次構造の変化と溶液の濁度変化から調査した。低pH条件で変性温度は低下したが、60℃の条件下では濁度の増加率が低かった。また、ゲルろ過クロマトグラフィーで抗体凝集体の生成を分析したところ、60℃で中性条件下で1日保持したIgG溶液中にはIgG凝集物が生成されたが、酸性条件下ではほとんど観察されなかった。 固定化モノリス担体にパパインを固定化し、抗体の断片化について検討したが、反応回数が増えるにつれて断片化収率は大幅に低下した。このため、合成基質による検討に切り替えたところ、基質の吸着が確認された。 抗体断片化反応において、固定化担体を用いる反応操作プロセスは反応前後の前処理を簡便化できる操作であり、反応収率は温度や担体構造の物質移動の改善により向上できることが分かったが、基質の安定性を考慮した温度の限界値や、担体表面との非特異的な吸着を考慮した操作の最適化も重要であることが分かった。 なお感染症の影響により渡航期間が短縮したが、相手国との連携により断片化抗体固定化モノリス担体を作成し、クロマトシステムで断片化抗体を作製し、分離精製するという目標は達成したため本研究課題を終了した。
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Research Products
(4 results)