2019 Fiscal Year Research-status Report
大型膨張波管設備を用いた大気突入飛翔体周り流れの高精度解析モデルの開発
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17KK0120
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
山田 剛治 東海大学, 工学部, 准教授 (90588831)
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Project Period (FY) |
2018 – 2020
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Keywords | Shock wave / Spectroscopy / Expansion tube / Shock tube / Precursor / CR model |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、オーストラリアクィーンズランド大学において主な研究活動を行った。渡航前に自由ピストン衝撃波管で取得した実験データを解析するために、数値解析プログラムの開発を行った。これまでの研究で開発した1次元アルゴン非平衡流れ場のCFDコードをベースとして、衝撃波前方で光電離を考慮したプリカーサモデルを組み込み、計測した電子温度と電子密度の空間分布特性と比較検討を行った。簡易的なモデルにもかかわらず、衝撃波前方の電子温度と電子密度の実験値のほぼ同程度の計算結果となることが分かった。しかしながら、衝撃波面直後の領域においては、計算値は電子温度の計測値をほぼ再現できているものの電子密度に関しては2桁程度低いオーダを示す結果となり、さらなるモデルの改良が必要であることが分かった。また膨張波管X2によりアルゴンを試験気体として用いて、2次元くさび模型周り流れのイメージング分光計測を実施した。そして衝撃波面前方領域からの発光現象、また衝撃波面直後で数値解析による予測よりも著しく高い電子励起温度となることが確認された。これより、膨張波管を用いた場合でも衝撃波管で観測された場合と同様にプリカーサ現象が生じることが明らかになった。さらにくさび模型後方の膨張領域に関しても、数値解析では再現できない熱的緩和現象が生じることが明らかになり、プリカーサ現象の影響であると考えられる。本実験データから、電子温度と電子密度の空間分布特性を取得するために、電子衝突過程に加えて原子衝突過程を考慮した衝突輻射(CR)モデルを新たに開発した。そして、本モデルは表面波プラズマのプローブ計測値を十分に再現できることを確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
膨張波管を用いた実験機会に制約があるために、渡航前に計画していた計測すべてを実施することができなかったために、来年度以降に追加の実験を行う必要があるために、進捗状況がやや遅れていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
開発したCRモデルを用いて、くさび模型周り流れのアルゴンプラズマ流の特性について明らかにするとともに、来年度以降に窒素を試験気体とした場合の実験を膨張波管を用いて行う予定である。
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