2018 Fiscal Year Research-status Report
Clarification on characteristics of the impurity transport in high-temperature plasmas by using a new tracer-encapsulated solid pellet
Project/Area Number |
17KK0121
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
田村 直樹 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (80390631)
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Project Period (FY) |
2018 – 2020
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Keywords | プラズマ・核融合 / 炉心プラズマ / 不純物輸送 / トレーサー内蔵固体ペレット / TESPEL |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、研究代表者が開発した、高温プラズマ中の不純物の動きを追跡するトレーサーを約1cmの範囲と極めて限定的に注入できる新型トレーサー内蔵固体ペレット(TESPEL)を用いて、磁場閉じ込め高温プラズマ中において不純物が取り得る分布パターンの形成メカニズムを明らかにすることを目的としている。特に、日本の核融合科学研究所の高温プラズマ閉じ込め実験装置、大型ヘリカル装置(LHD)単独では不可能なパラメーター依存性に関して、ドイツのマックスプランク・プラズマ物理研究所のW7-X、スペインのエネルギー・環境・科学技術研究センターのTJ-IIにおいても実験を実施することで、より包括的かつ体系的な知見を一気呵成に得ることを目的としている。 前年度から他の研究経費も含めた支援によりW7-XへのTESPEL入射装置の設置及び装置の調整など準備を進めてきたが、2018年7月末のW7-XのOP1.2b実験期開始早々に、W7-Xで生成されたプラズマにTESPELを入射することに成功した。約1cmの範囲に不純物トレーサーを注入できる新型TESPELは、内包される不純物トレーサーが塩素であったため、今回の実験期の間に使用する許可が下りなかったが、数cmの範囲に不純物トレーサーを注入できる従来のTESPELを用いて、不純物トレーサーからの発光強度のS/N比と不純物トレーサーの注入可能範囲の評価から進めて、様々な磁場配位、実験条件において実験を実施することができた。現在、得られた実験データの解析及び評価を進めているところである。 これまでに本研究課題で得られた成果などは、海外の共同研究者とともに、国内外で開催されたワークショップや学会に参加して報告している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度は、ドイツのマックスプランク・プラズマ物理研究所のW7-Xでのプラズマ実験において、TESPEL入射に成功し、本研究課題に関する実験を実施することができた。新型TESPELが使用できなかった点など、当初の計画通り進まなかった点もあるが、実験期早々にTESPEL入射に成功したことで、当初の予想以上に、実験データを収集することができた。まだ初期的評価の段階ではあるが、核融合科学研究所のLHDで得られた結果から予想される挙動とは、全く異なる挙動がW7-Xでは得られているなど、これまでの研究では得られなかったような実験データが得られている。以上のことから、本研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
ドイツのマックスプランク・プラズマ物理研究所のW7-Xの実験が再開されるまでは、W7-Xで得られた実験データの解析を進めて、補完すべきパラメーター領域を明らかにする。また、W7-Xにおいて使用許可の判断が必要のない不純物トレーサーを内包した新型TESPELの開発に取り組む。また、スペインのエネルギー・環境・科学技術研究センターのTJ-IIでの実験を進める。 前年度に引き続き、国内外で開催されるワークショップや学会に参加して、本研究の進捗状況及び成果のまとめについて報告し、外的評価を受ける。それと同時に、本研究で得られた成果をまとめて、コミュニティにおいて認知度の高い学術論文誌に投稿する。
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[Presentation] Impact of the Tracer-Encapsulated Solid Pellets (TESPEL) on Wendelstein 7-X plasmas2019
Author(s)
R. Bussiahn, N. Tamura, K.J. McCarthy, C. Brandt, K.J. Brunner, R. Burhenn, B. Buttenschon, H. Damm, G. Kocsis, A. Langenberg, N. Pablant, A. v. Stechow, P. Traverso, Th. Wegner, D. Zhang, the LHD experiment group and the W7-X team
Organizer
DPG Spring Meeting 2019
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[Presentation] TESPEL injection experiment in TJ-II2018
Author(s)
N. Tamura, K.J. McCarthy, N. Panadero, E. Ascasibar, E. Pawelec, A. Chmyga, T. Estrada, J.M. Fontdecaba, R. Garcia, J. Hernandez Sanchez, P. Khabanov, M. Liners, A. V. Melnikov, I. Pastor, B. Rojo, TJ-II team, and LHD experiment group
Organizer
第35回プラズマ・核融合学会年会