2018 Fiscal Year Research-status Report
synthesis of a hemin-containing copolymer as a novel immunostimulator
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17KK0122
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
山崎 智彦 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 主幹研究員 (50419264)
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Project Period (FY) |
2018 – 2020
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Keywords | ヘモゾイン / マラリア / アジュバンド / 免疫活性化 / ヘム / ポリマー / 酵素合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
トール様受容体9(Toll like receptor-9: TLR9)はシトシン(C)-グアノシン(G)配列を有するオリゴデオキシヌクレオチド(CpG ODN)をリガンドとして免疫活性化に寄与しているが、マラリア原虫により生産される疎水性ヘムダイマー集合体のヘモゾイン結晶もリガンド分子となることが報告された(Cell Host & Microbe 7, 50-61, 2010)。しかしながらヘモゾインの免疫活性化機構は未だ解明されていない。申請者は、新規免疫活性化剤の開発とヘモゾインの免疫活性化機構の解明を目的として、ヘモゾインの構成最小単位であるヘミンを修飾した水溶性ヘミン含有ポリマーの開発と評価を進めてきた。開発したポリマーは、免疫活性化能を示すことからワクチンアジュバンドとしての医薬応用が期待される。しかしながら、原料となるヘミンは動物血液から調製されたものであるがゆえ、ウィルス感染の危険性や宗教上理由からヘミン含有ポリマーの臨床応用に課題が残る。 この問題を解決するためにスウェーデンLund大学のLeif Bulow教授との国際共同研究によりの植物生産したヘモグロビン由来ならびに微生物由来ヘミンを用いて動物由来成分を含まないヘミン含有ポリマーを開発する。また、合成方法についても、ラジカル重合を用いない方法としてマラリア原虫での代謝系を模倣した酵素合成方法を検討し、安全性の高いアジュバント生産を目指す。 当該年度は、研究を効率的進めるための研究打合せを実施し、2019年度と2020年度の研究計画を策定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
LUND大学での国際共同研究の準備は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
限られた研究機関で効率的に国際共同研究を進めるために、短期的にLUND大学に滞在し、お互いの準備状況の再確認を行うことを計画している。また、ヘム無毒化酵素(HDP)を用いたヘムダイマーのin vivo 合成法の開発研究についても日本で先行して開始する。
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