2023 Fiscal Year Annual Research Report
synthesis of a hemin-containing copolymer as a novel immunostimulator
Project/Area Number |
17KK0122
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
山崎 智彦 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 高分子・バイオ材料研究センター, 主幹研究員 (50419264)
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Project Period (FY) |
2018 – 2023
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Keywords | ヘム / ヘモゾイン / アジュバント / ヘム無毒化酵素 / ヘミン / 酵素合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、免疫賦活化剤として機能するヘム含有ポリマーのワクチンアジュバントへの応用を目指し、非動物由来の材料を調製する方法を確立することを目的に実施した。マラリア原虫により生産される疎水性ヘムダイマー集合体であるヘモゾイン結晶がトール様受容体9のリガンド分子として機能することが報告されている(Cell Host & Microbe 7, 50-61, 2010)。申請者は、新規免疫活性化剤の開発とヘモゾインの免疫活性化機構の解明を目的として、ヘモゾインの構成最小単位であるヘミンを修飾した水溶性ヘム含有ポリマーの開発と評価を進めている(Int. J. Nanomedicine, 13, 4461-4472, 2018)。しかしながら、原料となるヘミンは動物血液から調製された物質であるため、ウィルス感染の危険性や宗教上理由から実用化に課題が残る。この問題を解決するためにスウェーデンLund大学のLeif Bulow教授との国際共同研究を開始し、ヘミンを水溶性ヘム含有ポリマーの原料として用いることを目指す。 新型コロナウィルス感染拡大の影響で長期渡航による現地での共同研究の実施を延期していたが、本年度はスウェーデンのLund大学ならびに米国のノースカロライナ大学に長期に滞在し、研究を進めた。具体的には、Lund大学においてはヘムの調製方法を確立し、またノースカロライナ大学においては、電気化学的なヘムの定量方法に関する研究を実施した。また、日本においては、ヘムを含むポリマーならびにヘム結晶の合成と、実験動物を用いたアジュバント効果の検証を実施した。採択時の滞在予定を大幅に変更することになり、滞在日数が予定よりも短くなった。しかしながら、日本において予備実験と追加実験を十分に行う期間が確保され、渡航先での実験を効率的に実施した結果、当初の研究目的は達成することができた。
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