2018 Fiscal Year Research-status Report
Design of hybrid particles with solid catalyst and enzyme for cascade catalytic reactions
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17KK0124
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
石井 治之 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授(テニュアトラック) (80565820)
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Project Period (FY) |
2018 – 2020
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Keywords | 固体触媒 / 酵素 / ナノ粒子 / カスケード反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
酵素は分子特異的で高効率な反応を触媒することで知られており、工業における反応プロセスに欠かせない触媒のひとつである。しかしながら、酵素自体が高価であること、安定に運転できる反応条件が限られていること、一度失活すると再生が困難であること、など、改良すべき課題も多い。固体触媒は酵素に比べると安定性が高い一方で、分子特異的ではなく効率が低いといった課題がある。 本研究では酵素および固体触媒を利用した新たな触媒反応プロセスの開発を目指す。例えば、酵素や固体触媒を複数組み合わせた逐次反応(カスケード反応)の実現や、新たな材料創成となる反応場の構築を目指す。酵素および固体触媒の欠点を補うとともに、各触媒の長所を最大限発揮できる反応条件下で行うことで効率的な反応を達成することを目標とする。 初年度の2018年度は、共同研究先へ渡航し4か月間、研究を実施した。水溶性物質の酸化反応をモデルとして、酵素およびナノ粒子(固体触媒)の触媒活性の評価を行った。また、文献調査を行ったところ、金属あるいは金属酸化物から成るナノ粒子が酵素様活性を持つとの報告が多数あったものの、酵素とナノ粒子の触媒反応メカニズムの違いについての検討が少ないことが判明した。したがって、上記の触媒活性評価を通して、酵素とナノ粒子における触媒反応メカニズムの違いについて共同研究者と意見交流を行った。また、論文投稿のために必要な実験および反応条件を明確にした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
スイス工科大学チューリッヒ校(ETH Zurich)のPeter Walde教授のもとで、同じ反応物質を用いた触媒反応における活性を酵素と固体触媒で評価した。その結果、両者に大きな違いがあることがわかったため、その原因について議論した。また、固体触媒反応を利用した材料作製を試み、反応条件や新規合成プロセスに関する重要な知見を得た。滞在期間終了後の研究指針についてもさらに議論し、継続して共同研究を行うことを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、固体触媒(ナノ粒子)と酵素の触媒能の違いを明確にすることを目的とした研究を行う。同一の酸化反応において、それぞれ触媒として機能する条件(pH、温度、試薬濃度など)を比較する。特に、固体触媒が酵素よりも優位に機能する反応条件の探索を行う。次に、固体触媒が酵素の代替と成り得るか否かについて、検討する。共同研究者のWalde教授が行っている酵素反応をモデルとして、固体触媒に置き換えた場合の生成物の差異について評価する。 また、固体触媒は酵素よりも、強酸性や高温など酵素が失活する厳しい条件でも利用できることが報告されている。したがって、酵素では不可能な反応条件での触媒反応を行い、新たな材料合成の反応場の構築を行う予定である。
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