2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Artificially-Synthesized Biodegradable Hydrogel for Cell-Based Therapy of Parkinson's disease
Project/Area Number |
17KK0130
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
中路 正 富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 准教授 (10543217)
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Project Period (FY) |
2017 – 2018
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Keywords | インジェクタブルゲル / ペプチド架橋型ゲル / 神経網再建 / 移植医療 / パーキンソン病治療 / 中枢神経系疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、若手研究Aのテーマ「パーキンソン病治療のための細胞移植用インジェクタブルゲルの開発」を基課題として、より安全性が高く、医師にとっても使用しやすいゲル素材の構築を目指し、「完全合成型インジェクタブルゲル」の創製を最終目標として進めたものである。 本助成を利用して、オーストラリア連邦に長期渡航し、科学産業研究機構およびモナッシュ大学において新規ゲル素材の開発と in vitro 評価を実施した。構築したゲル素材は、in vitro 評価を進める中で適宜改良を重ね最適化を図った。具体的には、完全合成型(双性イオン型高分子を用いた場合)では、ゲル分解後に若干細胞毒性が認められた(ゲル分解後はゲル前駆高分子である双性イオン型高分子が拡散する)ため、ベース素材を生体高分子に変更し様々な素材を検討した結果、ヒアルロン酸とゼラチンをベース素材として利用した、常温でゾル-ゲル転移を惹起させることができる新規ゲル素材の開発に至った。 神経前駆細胞の生存および分化についての in vitro 評価を終え、申請時の目的通り、新しいインジェクタブルゲルの創製の成果を挙げられたと考えているが、論文発表のためには in vivo 評価が不可欠と考えており、引き続き研究を継続する予定である。得られた成果の特徴的な点としては、これまでに開発したコラーゲン型のインジェクタブルゲルに比べ、新規ゲルはヒアルロン酸とペプチド担持ゼラチンの組成比を変更することにより、硬度を簡便に変更でき、神経細胞の接着および伸長を最適化できる点が挙げられる。若手研究A課題の中で開発したゲルよりさらに良い結果が得られると期待される。 加えて、本開発ゲルを脊髄損傷治療用のデバイスとして使用したいとの共同研究の申し入れ(チェコ科学アカデミーの研究者)もあり、今後は、脊髄損傷治療用としても展開していこうと考えている。
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Research Products
(4 results)