2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of a semiactive vibration isolator bushings using magnetorheological elastomers with self-sensing property
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17KK0131
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小松崎 俊彦 金沢大学, フロンティア工学系, 教授 (80293372)
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Project Period (FY) |
2018 – 2019
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Keywords | 磁気粘弾性エラストマ / 振動制御 / 防振 / 機能性材料 / 磁気応答性材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では,センシング機能を振動制御のための信号取得に利用しつつ,圧縮方向の耐荷重性とせん断方向の柔軟性を静荷重支持と振動絶縁に応用し,実践的なアプリケーションとして防振ブッシュを開発する.ブッシュには,部材間の相対変位を規制しながらも,振動や衝撃を吸収するためにゴムが用いられるが,使用部位の性格上,センサの設置が困難な部材でもある.そこで,自己の歪みを検出し,自身の剛性を任意に変化させることのできる磁気粘弾性エラストマをブッシュに適用して,セミアクティブ振動制御への応用を目的とした検討を行った. まずは簡便な動特性試験装置で評価可能な大きさの積層型ブッシュの設計と試作を行った.おおむね予定通りの構造,動作を実現したが,積層する素材としての,個々のエラストマ層の厚さ,及び接着層の厚さを厳密にコントロールすることが難しく,製作過程に時間を要した.さらに,組み上げ後のブッシュの粘弾性特性を測定するために打撃試験を実施したが,粘性の影響が大きく十分な精度での動特性計測が困難であることが判明した. そこで,構成部品を一体化しコンパクトなブッシュを構成することをひとまず保留とし,矩形状の磁気粘弾性エラストマシートを積み重ねた積層エラストマと磁気回路とを別体で製作して,積層数及び印加磁場強度に応じた弾性率,粘性係数の変化特性の計測と,積層数に応じた特性の予測式を構成した.その結果,積層数によって無磁場時の基礎弾性率が低下することをはじめとして,粘性の影響についても積層数が増すほど小さくなり,ブッシュとして望ましい方向の特性が得られると予想された.以後は再び一体品としての積層型ブッシュの製作と評価を実施したいと考えている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要欄で述べたように,当初予定していたブッシュ構造の設計と製作を行った結果,予期に反して試作品の減衰が過大となり,振動を利用した動特性の計測が困難であったことから,ひとまず試作品の評価は保留とし,ゴム支持部と磁気回路とを別体として製作した評価装置に基づき,積層エラストマの動特性評価を行った.基礎的な構造での検証に戻ったが,他方では磁気粘弾性エラストマの物性に関するモデル式について検討を行い,論文化を進めている点も総合的に考慮して,進捗状況はやや遅れていると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
材料に予圧縮が掛からないような積層技術の高精度化,積層数の増加等によって減衰特性を改善し,再度,一体構造としてのブッシュ製作と評価を予定している.また,当初は簡易な計測での評価をもくろんでいたため,装置自体を小型で製作したが,製作のしやすさ,誤差の影響を軽減する目的で製作物をやや大型化したいと考えている.
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