2020 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding the growth mechanism of boron carbon nitride films based on the ion transportation behavior in HiPIMS deischarge
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17KK0136
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
清水 徹英 東京都立大学, システムデザイン学部, 准教授 (70614543)
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Project Period (FY) |
2018 – 2020
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Keywords | HiPIMS / 炭化窒化ホウ素 / t-BN相 / 化学結合状態 / FTIR / XPS / イオン流束 / 運動量変換 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、優れた実耐久性を有する超高靱性炭窒化ホウ素(BCN)膜の創製を目指し、HiPIMSプラズマにおけるイオン輸送挙動とBCN膜成長メカニズムの相関性を学術的に解明していくものである。その実現に向け、HiPIMS研究を牽引してきたLinkoping大学IFM研究科Plasma and Coatings Physics研究グループの下で約1年間の研究活動を行い、主にイオン輸送挙動を対象としたプラズマ分析を精力的に推進してきた。 当該渡航期間を経て最終年度は、第2年度に取得したHiPIMSプラズマ特性の基礎データを軸に、各イオン種の構成比率やエネルギー分布をはじめとした基板入射粒子の関連因子がBCN薄膜成長に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。その実現に向けて、基板パルスバイアス電圧の遅延同期技術を活用したBCN薄膜形成実験とその薄膜特性評価を実施した。本検討では特に立方晶c-BN相の形成を目指し,その核形成の起点となるt-BN相の形成条件およびB-C-Nにおける化学結合状態変化に対する影響を検討した。 その結果、一蒸着粒子当たりの運動量(Ptot/a)を増大させる条件下で形成した下地層を導入することで,[0002]面が面内配向したt-BNの形成及びB-N,C-C結合形成が促進されることを明らかにした。Ptot/aの増大には、各イオン種の運動エネルギーを増大させると共に、イオン質量の重要性も見出され、スパッタガスとなるArイオン照射を積極的に活用することが効果的であることが明らかにされた。 上記共同研究における成果と合わせて2021年1月には渡航先研究機関と共同でHiPIMSに関するオンライン国際ワークショップを主催し、300人以上の当該分野の研究者が集う機会を設けると共に、本国際共同研究における枠組みの国際的なプレゼンス向上に努めた。
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Research Products
(11 results)