2018 Fiscal Year Research-status Report
Nano-imaging of the growth cone producing the driving force for nerve growth
Project/Area Number |
17KK0144
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
野住 素広 新潟大学, 医歯学系, 講師 (00420323)
|
Project Period (FY) |
2018 – 2020
|
Keywords | 成長円錐 / アクチン / エンドサイトーシス / 3D-STED / SUSHI |
Outline of Annual Research Achievements |
多種多様な細胞で構成される脳組織中を1本の神経軸索が正確な経路を伸びることで、機能する神経回路がつくられる。軸索の先端構造である成長円錐が自律的に経路選択を行うため、成長円錐に「移動」と「ガイド分子の受容」の両方を効率的に行う仕組みが備わっていることが考えられる。 これまでの研究から、成長円錐の先導端に生じるアクチン細胞骨格は細胞膜を押して前進の推進力を生じるだけでなく、形質膜からの細胞膜取込みにも関与することが分かってきた(Cell Rep, 2007)。またアクチン骨格が成長円錐表面で頻繁にフィロポディア形成・消失を繰り返すことで、水溶性のガイド分子を効率的に捉える仕組みも示唆された。成長円錐の超解像観察によって、これまで気付かなかった細胞内過程の協調で効率的な移動及びセンシングを行っていることが分かってきた。しかし、アクチン再編と形質膜取込みの仕組みを直接観察するには、超解像顕微鏡(SIM)では分解能が足りず、成功していない。 最近、3D-STEDと蛍光陰影を組み合わせたSUSHI(super-resolution shadow imaging)を使って、視野内の全ての脳細胞を低ダメージ、高解像度で撮影できることが報告された(Tonnesen J et al, 2018)。SUSHI法を使えば、3次元の成長円錐の形質膜とアクチン骨格の動態をより高分解能で観察できると考え、開発者のValentin Nagerl教授との共同研究を行うことにした。2019年6月から開始する成長円錐のナノイメージング解析に向けて、本年度は実験計画の打合せ、及び予備実験を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年11月の北米神経科学会でNagerl教授に共同研究の提案を行い、翌月にはオンライン会議で具体的な研究計画の打合せを行った。2019年3月にはボルドー大学の研究室に1週間滞在し、教室員との打合せ、ライブイメージングの条件検討のため予備実験を行った。詳細な実験条件、スケジュールを決めることができたので、来年度の共同研究を効率的に実施できる体制が整った。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は培養神経細胞のSUSHIと細胞内構造のライブナノイメージングを実施し、脳スライスでの観察に向けて撮影条件を検討する。
|
Research Products
(3 results)