2020 Fiscal Year Research-status Report
Nano-imaging of the growth cone producing the driving force for nerve growth
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17KK0144
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
野住 素広 新潟大学, 医歯学系, 講師 (00420323)
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Project Period (FY) |
2018 – 2021
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Keywords | STED / 超解像顕微鏡 / オルガネラ / 微小管 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経突起を先導する成長円錐には、走化性に欠かせない細胞骨格や膜小胞だけでなく、小胞体やミトコンドリアなどのオルガネラも多数分布している。成長円錐は細胞体よりも限られた空間であるため、オルガネラは細胞骨格や他のオルガネラと相互作用することで、効率的に成長円錐の機能に寄与していると考えられる。本研究では超解像顕微鏡3D-STEDでオルガネラの動態を網羅的に可視化することを目指し、細胞質を蛍光で光らせて様々なオルガネラをネガティブ像として同定、追跡することを試みた。蛍光タンパク質を発現させたCOS細胞では、細胞核周囲の小胞体、ゴルジ体、ミトコンドリアなどのオルガネラに加えて、束状の微小管を部分的に可視化することができた。今年度は蛍光タンパク質と共に様々なオルガネラマーカーを共発現させることで、ネガティブ像におけるオルガネラの同定を行った。さらに細胞骨格のネガティブ像を安定的に可視化することを目指し、多量体を形成する蛍光タンパク質を選択した。これにより細胞骨格のフィラメント間の隙間や蛋白質凝集体の間隙に蛍光タンパク質が侵入しにくくなることでネガティブ像のコントラスト向上を試みる。 再渡航が半年以上遅れたため、多量体の蛍光タンパク質を使ったネガティブ像の結果が未だ得られていないが、これまでに撮影したCOS細胞のネガティブ動画像によって異なるオルガネラ間の接触を多く検出することに成功している。本手法は、これまで見逃されてきた細胞内現象を可視化できる新たな超解像イメージング手法として期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
共同研究契約など再渡航の準備に時間を要したことに加え、フランス全土おけるロックダウンのため、研究の再開が予定より半年以上遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
一般的な蛍光タンパク質では神経細胞内の可視化が難しいことが判ったため、様々な蛍光プローブを試して、神経細胞におけるオルガネラの網羅的可視化を目指す。
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Research Products
(5 results)