2017 Fiscal Year Research-status Report
細菌型sRNAにおけるHfq結合領域の構造原理の解明
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17KK0146
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Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
森田 鉄兵 鈴鹿医療科学大学, 薬学部, 助教 (10444366)
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Project Period (FY) |
2017 – 2019
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Keywords | 小分子RNA / 転写後制御 / Hfq / 大腸菌 / 転写終結 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題は、細菌に存在するHfq結合型小分子RNA(sRNA)において、sRNAの性質であるHfq結合領域の構造原理の解明、及びストレスによる転写終結調節機構の分子機構の解明を目的とする。本研究は、National Institutes of Health(NIH), National Cancer Institute (米国、ワシントンD.C.)において研究室を主宰するSusan Gottesman博士との共同研究により遂行する。平成29年度は、平成30年度7月より1月末までNIHに滞在し研究を行うために必要な事務的な準備を進めた。また、3月にスペインで開催された5th Meeting of Regulating with RNA in Bacteria & Archaeaにおいて、Gottesman博士と直接打ち合わせを行った。打ち合わせ、及び日常的なメールでのやりとりを踏まえ、課題研究に用いる材料の準備を進めている。具体的には、代表的なsRNAであるSgrSを用いてこれまでに研究を進めてきたのと同様の戦略により、いくつかのsRNAを候補として、sRNA遺伝子の転写のリードスルー産物を検出するためのダブルターミネーター発現系の構築、また転写終結効率をモニタリングするためのlacZ融合発現系の構築を行った。NIHに滞在する期間での研究遂行を効果的なものにするために、渡航までの期間にこれらの材料を用いて、sRNAの転写終結、および機能について予備的な解析を進めている。また、lacZ融合遺伝子を利用して寒天培地上でsRNA遺伝子の転写終結効率をモニタリングする系の構築を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共同研究を行うGottesman博士とは、3月の会合における打ち合わせに加え、日頃よりメール等により情報交換を行っている。また、課題研究に用いる材料の準備、予備実験を進めている。これらのことより、本課題研究はおおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度7月より1月までの期間NIHに滞在し、課題研究を遂行する。Gottesman博士の研究室には、30種類のsRNA発現系、及びそれらの機能を網羅的に解析するアッセイ系が確立されている。また、Gottesman博士らは、これまでに遺伝学的スクリーニングにより、大腸菌におけるストレス応答の分子機構を明らかにしてきた。これらの材料、及び経験を活用し、課題に取り組む。具体的には、30種類のsRNA発現系、及びそれらの機能を網羅的に解析するアッセイ系をもとに転写終結領域のヘアピン構造を安定化した変異型を構築し、ヘアピン構造の安定性とsRNA機能の関連性を解析する。また、lacZやgfpをレポーター遺伝子として用いてストレス下での転写終結調節機構に関わる遺伝子を探索する系を構築し、分子機構の解明につなげる。
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