2021 Fiscal Year Research-status Report
鳥類精子における膜ラフトマイクロドメインを介した先体反応制御機構の解明
Project/Area Number |
17KK0150
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
浅野 敦之 筑波大学, 生命環境系, 助教 (10630981)
|
Project Period (FY) |
2018 – 2022
|
Keywords | 精子 / シグナル伝達 / 先体反応 / 鳥類 / 細胞膜 / カルシウム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、鳥類精子において膜ラフトによる先体反応のシグナル伝達制御を調べ、その成果に基づき精子受精能の人工制御に向けた技術シード発掘に取り組み、以下の知見を得た。 ・免疫沈降およびプロテオミクスにより、SFKサブタイプの中でもc-YES1は、ニワトリ精子の先体反応制御に深く関与していることが分かった。 ・ニワトリ精子は主にミトコンドリア活動を通してエネルギー基質をATPへの変換する。エネルギーの中でも、特に精子の卵侵入はグルコース取り込みへの依存度が高いことも分かった。解糖系とミトコンドリア酸化的リン酸化が精子で果たす機能的役割は異なることが示唆された。 ・内卵黄膜(IPVL)への精子結合は、カルシウム濃度を上昇、運動性パターンの変化を誘起する。 ・細胞内のカルシウム動態を人工的にコントロールすることで、自発的先体反応など異常な精子機能を休止させ受精能力の長期保存が可能であることが示された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していたコーネル大学訪問が新型コロナ感染症拡大の影響で中止となり、カルシウム動態のライブセルイメージングができなかった。一方、プロテオミクス実験については、実施内容を変更し実施した。今年度は感染症対策の方針転換により、積み残した共同研究が進むと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
コーネル大学において1細胞のライブセルイメージング技術によるカルシウム動態の観察を進める。また膜ラフト関連タンパク質に対し新規作成した抗体を使って精子機能制御分子基盤のさらなる解明を進める。
|