2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17KK0151
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
加藤 豪司 東京海洋大学, 学術研究院, 助教 (50624219)
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Project Period (FY) |
2018 – 2020
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Keywords | 粘膜免疫 / 浸漬ワクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年10月6日から12月29日までドイツ・Friedrich-Loeffler-Institutを訪問し、本研究課題の核となるGAS細胞の電子顕微鏡観察およびGAS細胞とニジマスリンパ球の共培養試験を行った。まず、Aeromonas salmonicida ssp. salmonicidaの不活化菌体をニジマスに浸漬投与し、投与した魚の鰓からGAS細胞をフローサイトメトリーで分取した。分取した細胞をロイクリル樹脂に包埋し、薄切して、透過型顕微鏡で解析した。その結果、GAS細胞はリソソームやファゴソームなどを細胞質に多く含むことがわかった。また、GAS細胞の表面には細胞突起が観察され、本細胞が抗原物質を積極的に取り込む特徴と一致した。また、A.s.s.の不活化菌体で処理したニジマスの鰓上皮からは、これら不活化菌体を取り込んだGAS細胞の様子も観察することができた。一方で、これら分取した細胞をスライドグラス上に塗抹して、フォスファターゼ染色およびエステラーゼ染色に供したがら、標本の作製や保存の条件が難しく、適切な染色像を得ることはできなかった。これらについては、次年度以降、実験条件を再度検討する必要がある。さらに、分取したGAS細胞とニジマス脾臓由来のリンパ球の共培養試験の条件検討を行った。GAS細胞を10の5乗個、リンパ球を3×10の5乗個混合して共培養したところ、GAS細胞の周囲にリンパ球様細胞が集合するロゼット形成が確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していたGAS細胞の電子顕微鏡観察を行うことができた。さらに、GAS細胞をフローサイトメトリーで分取し、ニジマス脾臓由来のリンパ球細胞と共培養する試験の条件検討を行うことができた。共培養試験に関しては、今後実験結果の再現性を確認する必要があるが、2018年度までの進捗状況は概ね順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
分取した細胞の各種酵素染色では、標本の保存が難しく、適切な染色像を得られなかったため、標本保持のための条件検討を行いながら、各種酵素染色を再度行っていく予定である。また、GAS細胞とニジマスリンパ球の共培養試験について、昨年度得られた実験結果を参考にしながら、サイトカイン遺伝子の発現解析を行っていく。また、スペインへのCISA-INIAへ渡航し、MHCクラスII抗体を用いたMHCII分子のブロッキング試験について、条件検討・本試験を行っていく予定である。
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