2022 Fiscal Year Annual Research Report
How does rain journey through the vertical structures of tree canopy? Development of physical model using chemical analysis
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17KK0159
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Research Institution | Forest Research and Management Organization |
Principal Investigator |
南光 一樹 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (40588951)
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Project Period (FY) |
2018 – 2022
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Keywords | 樹冠遮断 / 樹冠通過雨 / 雨滴 / 濡れ |
Outline of Annual Research Achievements |
樹冠による雨水の分配プロセスの決定要因を特定するために、落葉広葉樹のアメリカブナを主な対象として野外測定・野外実験・室内実験を行った。林内外で同時観測した雨滴データを用いて、樹冠通過雨を直達・滴下・飛沫の3成分に分離する手法を確立した。これまでに得てきた雨滴データのメタ解析を行い、常緑針葉樹、広葉樹(展葉中)、広葉樹(落葉後)における成分比の違いを明らかにした。具体的には、樹木に葉がついている場合は滴下雨が樹冠通過雨の主成分であり、広葉樹の方が針葉樹よりも滴下雨が樹冠通過雨量に占める割合が高いこと、樹木に葉がない場合,直達雨が樹冠通過雨の主成分であるが,枝からの滴下雨が集中滴下する場所では滴下雨が主成分となり,滴下雨の粒径が大きくなることを示した。 アメリカブナ林での野外観測データから、樹冠通過雨を直達雨・飛沫雨・葉から発生する滴下雨・樹皮から発生する滴下雨に分離することに成功し、その成分比の降雨イベント内変動と季節変動を明らかにした。落葉が進むにつれて直達雨と飛沫雨が増え、粒径5.5mm以下の滴下雨は減少し、粒径6.6mm以上の滴下雨は微増した。枝は、葉よりも大きめの滴下雨滴を生み出すことが分かった。イベント内では、降雨初期は早くに濡れる上層の葉から小さめの滴下雨滴が卓越し、樹冠の濡れが進むにつれて枝を伝う流路が発達し、大きめの滴下雨滴が促されることを解明した。この結果、雨滴測定から樹冠内での水の流路や滞在時間の解明が実現することを示した。
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Research Products
(8 results)
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[Book] 森林水文学入門2022
Author(s)
大槻 恭一、久米 朋宣、笠原 玉青
Total Pages
256
Publisher
朝倉書店
ISBN
978-4-254-47060-4
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[Book] 森林と水2022
Author(s)
三枝 信子、柴田 英昭、高梨 聡
Total Pages
208
Publisher
共立出版
ISBN
978-4-320-05821-7