2018 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of Brain Molecular Mechanisms of Drug Addiction and Empathic Behavior Altered by Juvenile Stress
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17KK0161
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉田 隆行 北海道大学, 医学研究院, 助教 (60374229)
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Project Period (FY) |
2017 – 2022
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Keywords | 観察恐怖学習 / オキシトシン / セロトニン |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は共感様行動の1つと解釈できる観察恐怖学習に関わる分子・神経回路・行動機能について神経細胞の活動を時空間的に緻密に制御するため以下の技術習得と解析を行った。 ①マウスの脳定位固定による標的脳部位への逆行性標識物質およびアデノ随伴ウィルスの局所注入技術の習得 ②腹側海馬(vHPC)より入力を受ける内側前頭前皮質背側部(dmPFC)ニューロンの特徴と同ニューロンの出力部位の解析 ③dmPFC内パルブアルブミン作働性ニューロンの活動を光刺激によって抑制することによる観察恐怖学習の変化 ④オキシトシン作働性ニューロンおよびその投射部位とオキシトシン受容体発現ニューロンの分布解析 ⑤オキシトシン作働性神経終末の光刺激抑制による観察学習行動の変化 これらについて現在詳細な解析を行っている最中であるが、いくつかの成果について以下列挙する。②について:vHPCより入力を受けるdmPFCニューロンはカルシウムカルモジュリンキナーゼII陽性細胞>パルブアルブミン陽性細胞>ソマトスタチン陽性細胞の順で分布が多く、その細胞出力は扁桃体基底部(BA)、中脳水道周囲部灰白質(PAG)、前障(CLA)、無顆粒島皮質(AI)に多かった。一方、dmPFCに出力するニューロンはBA、CLA、AIおよびvHPCに多かったことから、BA、CLAおよびAIはdmPFCと双方向性に連絡しているが、vHPCはdmPFCに一方向性に投射していると考えられる ④について:オキシトシン作働性ニューロンの出力はdmPFC、扁桃体ならびにvHPCで乏しく、腹側被蓋野およびPAGで顕著だった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、神経細胞の活性化から情動行動発現までの分子・神経回路・行動機能について時空間的に緻密に制御できる光遺伝学の技術を習得した。
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Strategy for Future Research Activity |
共感様行動とされる観察恐怖学習に関与する神経回路についてさらに解析する。中脳水道周囲部灰白質に投射する内側前頭前皮質ニューロンの観察恐怖学習による活性化を逆行性標識ならびにc-Fos発現を免疫組織化学的解析によって評価する。
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