2019 Fiscal Year Research-status Report
自然免疫応答を制御する長鎖非コードRNAに関する研究
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17KK0163
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋光 信佳 東京大学, アイソトープ総合センター, 教授 (40294962)
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Project Period (FY) |
2018 – 2020
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Keywords | RNA |
Outline of Annual Research Achievements |
長鎖非コードRNAとは、タンパク質のアミノ酸一次配列情報をコードしないRNAの総称であり、ヒトゲノムからは数万種類の長鎖非コードRNAが生み出されている。近年、長鎖非コードRNAが遺伝子発現の制御を通じて多様な生理機能に関わっていることが判明してきた。長鎖非コードRNAは重要な生体分子であることから、疾患とも密接な関係がある。従って、長鎖非コードRNAの機能や発現制御を解明することは医歯薬学領域の発展に大きく貢献する。 本研究課題では、病原体感染によって発現するホスト細胞の核内長鎖ノンコーディングRNAを同定し、それらの機能解析と発現制御を解明する。 2019年度は、デンマーク王国オーフス大学のTorben Jensen教授と共同研究を渡航先で実施した。まず、サルモネラ感染したヒト培養細胞で発現が変動している長鎖ノンコーディングRNAとしてリストアップしていたPROMPTなどの短寿命の核内長鎖ノンコーディングRNAの分子機能についてコンピューターを使った機能予測を行った。2020年度以降は、これらの長鎖ノンコーディングRNAの発現制御機構と病原体-ホスト相互作用の分子メカニズムの解明を進める。 さらに、2019年度は、米国ミシガン大学のUlus Atasoy准教授との共同研究を実施し、ホスト細胞の免疫応答制御に関わる可能性の高い短寿命核内ノンコーディングRNAの分解測定アッセイを共同で実施した。今年度はミシガン大学での条件設定を完了できたため、2020年度からは本格的な実験データの取得を行う計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度実績をもとに、Jensen教授との共同研究を着実に進歩させることができたた。さらに、今年度からは米国のAtasoy准教授との国際共同研究も開始し、研究体制を強化できた。これらのことから、研究は順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度に機能を予測した短寿命核内長鎖ノンコーディングRNAの機能解析を分子レベルでさらに進める。また、それらの発現制御機構を調べるため、次世代シーケンサーとバイオインフォマティックス解析を組み合わせた研究を共同で進める。同時に、病原体-ホスト相互作用の分子メカニズムの解明について、RNA安定性制御の観点から、Atasoy准教授との国際共同研究を進める計画である。
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