2018 Fiscal Year Research-status Report
Control of muscular function by manipulating spatiotemporal dynamics with light
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17KK0164
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
浅野 豪文 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (30552476)
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Project Period (FY) |
2018 – 2020
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Keywords | 筋分化 / 細胞融合 / 光遺伝学 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞活動に伴いカルシウムをはじめとする細胞内イオンの変化が生じるが、異なる経路を介したイオン輸送が異なる細胞機能に寄与しているかを理解することは重要である。本研究では細胞内イオンの時間的、空間的な分配が個体の恒常性維持に果たす役割について、骨格筋をモデルとして明らかにすることを目的とする。本年度は下記2つの課題に取り組んだ。 1)筋形成の過程において単核の筋芽細胞が互いに融合したり、既存の筋線維と融合することで筋組織を成長させるが、筋芽細胞の融合は骨格筋の形成・成長において最初の重要なステップである。その過程には小胞体カルシウムが関わっていることが示唆されている。光応答性イオンチャネル(ChR)および、我々が開発した小胞体光スイッチ(ChRER)を用いて、光でイオン輸送を誘導した際に形成される筋管細胞を評価した。ChRを発現する細胞を刺激した場合、有意な差は認められなかった。一方、ChRERを発現する細胞ではコントロール群と比較して、取り込まれた核の数や太さ、速筋型ミオシン重鎖が光照射により増加していた。各種カルシウムチャネル阻害剤等を用いた検討を行ったところ、光刺激による小胞体カルシウムの一過的な枯渇が筋芽細胞の融合を促進し、筋管細胞の成長、肥大化を引き起こしたことが示唆された。 2)筋芽細胞の融合を定量的に評価できる実験系の構築を行った。ChR-EYFPまたはChRER-EYFP遺伝子の前後にloxPを挿入し、その下流にRFPを配置した発現ベクターとDNA組換え酵素iCreの発現ベクターを作製した。それぞれの遺伝子を発現する細胞が融合するとChR-EYFPの脱落とRFPの発現が誘導される。これにより光刺激の効果は融合前のみに限定される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた実施計画に沿って渡航、研究を開始することができ、上記のように研究成果を挙げることができている。また次年度に行う予定の課題についても予備実験を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
作製した発現ベクターCre/loxPシステムを用いて筋芽細胞の融合を定量的に評価する。細胞活動を操作して、細胞の活動性が筋の形成、維持をどのように調節しているか明らかにする。
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