2020 Fiscal Year Research-status Report
4遺伝子シグネチャーによるⅠ期肺腺癌の再発予測システムの構築 国際共同試験
Project/Area Number |
17KK0177
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
野呂 林太郎 日本医科大学, 医学部, 講師 (50366738)
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Project Period (FY) |
2018 – 2021
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Keywords | 肺癌再発予測マーカー / 術後化学療法 / 4遺伝子シグネチャー / ACTN4遺伝子増幅 / HOXA9メチル化 / 病理学的バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
予後不良と言われている肺癌でさえ、近年の画像診断の進歩により、根治可能なⅠ期肺癌の検出が可能になり、手術療法への期待は高まっている。しかしながら Ⅰ期であっても根治術後未だ30%は再発する。よって術後化学療法の必要性が問われているが、国内外でもその有用性に関してはコンセンサスが得られていない。よってⅠ期の術後化学療法が必要な予後不良患者(再発高危険群)と不必要な予後良好患者(再発低危険群)を選択する必要がある。 本研究は、Ⅰ期肺癌における再発予測マーカーを構築し、さらに術後化学療法が必要な予後不良患者と不必要な予後良好患者を選択する治療選択マーカーを構築することを目的とした。日本の学習セットおよび米国のバリデーションセットの検体を用いて4遺伝子シグネチャー、病理学的バイオマーカー、HOXA9メチル化、in situ hybridizationによるACTN4遺伝子増幅(2013, Ann Oncol, Noro R)を用いた複数のmodalityを用いたオミックス研究により再発危険群および経過観察群を選択する。 先の基盤研究Cは、FFPE切片からのRNA抽出およびその発現解析、本邦での遺伝子発現解析がなされ、既に上記の診断システムが構築され、さらにHOXA9メチル化、病理学的血管侵襲所見、ACTN4遺伝子増幅などをまとめ様々なmodalityで再発予測そして術後化学療法の有用性を示す診断システムが構築された。バリデーションセットの解析も含め確固たる診断システムの構築のためには代表者が以前所属していたNIHやThomas Jefferson Universityとの共同研究を行い米国での検体での検証も本主研究での遂行が必要である。国内外問はず人種、施設を超えた多施設の検体を用いて多種のオミックスを用いた診断システムの確立は、早期肺癌の根治向けて有用であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
代表者(野呂)はH25-H27にNCI/LHCに留学し肺扁平上皮癌を中心としたバイオマーカー研究(Journal of Thoracic Oncology 2015, 2017, Cancer Epidemiol Biomarkers Prev 2016 )を行っており、責任者であるHarris Curtis博士との信頼関係や研究基盤はできている。また同ラボのHien Dang博士はThomas Jefferson UniversityのPIになり、同じく共同研究を行うことができる。また生物統計の専門家でありアドバイスを得ることができる。施設は肺癌 大腸癌をはじめとした トランスレーショナルリサ―チ研究を行い、FDAへの診断キットの申請など成果を上げている。米国内から多数のFFPE検体が両施設に集められており、既に我々は解析のための研究手法を確立しており、障害なく発現解析に取り掛かることができると思われる。2020年度はNCI/NIH、Thomas Jefferson Universityとの共同研究を進め、米国検体での解析を行う予定であったが、昨今のコロナ感染の影響で渡米 できず遂行できていない。よって、先方とは電子媒体でのやりとりをしており、本研究のための研究協力者に標本作成を依頼し、研究を続行している。患者情報など個人情報は匿名化し臨床情報の解析は進めている。2021年度延長期間において、コロナ情勢の改善が認められれば渡米後解析を行うが、困難な場合は検体送付の手続きを行い、本施設で解析を行い共同研究結果として論文報告を行う。(同時に従来より進めていた研究である)肺癌再発予測マーカーの一つであるACTN4遺伝子増幅(Noro R et al, 2013 Ann Oncol, Journal of Thoracic Oncology 2015)が実際に術後化学療法の有無のある症例ででⅠ期術後化学療法の効果予測マーカーであることを示すことができ、2021年日本呼吸器学会優秀演題部門で発表予定である
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Strategy for Future Research Activity |
先に示した米国二施設とは電子媒体でのやりとりをしており、本研究のための研究協力者に標本作成を依頼し、研究を続行している。患者情報など個人情報は匿名化し臨床情報の解析は進めている。2021年度延長期間において、コロナ情勢の改善が認められれば渡米後解析を行うが、困難な場合は検体送付の手続きを行い、本施設で送付される遺伝子、ホルマリン包埋切片を用いて解析を行い共同研究結果として論文報告を行う。(同時に従来より進めていた研究である)肺癌再発予測マーカーの一つであるACTN4遺伝子増幅(Noro R et al, 2013 Ann Oncol, Journal of Thoracic Oncology 2015)が実際に術後化学療法の有無のある症例ででⅠ期術後化学療法の効果予測マーカーであることを示すことができ、2021年日本呼吸器学会優秀演題部門で発表予定である。今回の研究では解析中の遺伝子シグネチャー+ACTN4活性がさらにRobust biomarkerであることを示すことが目的であり最終的に早期肺がん術後化学療法の効果予測バイオマーカーとして診断キットを確立することが目的である
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Exosome-derived miR 210 involved in resistance to osimertinib and epithelial mesenchymal transition in EGFR-mutant non-small cell lung cancer cells2021
Author(s)
Hisakane, Kakeru, Seike, Masahiro, Sugano Teppei,Yoshikawa, Akiko, Matsuda, Kuniko, ,Takano, Natuski, Takahashi, Satoshi, Noro, Rintaro, Gemma, Akihiko
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Journal Title
Thoracic cancer
Volume: in press
Pages: in press
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Bevacizumab plus chemotherapy in nonsquamous non-small cell lung cancer patients with malignant pleural effusion uncontrolled by tube drainage or pleurodesis: A phase II study North East Japan Study group trial NEJ013B.2020
Author(s)
Rintaro Noro, Kunihiko Kobayashi, Jiro Usuki, Makiko Yomota, Masaru Nishitsuji, Tsuneo Shimokawa, Masahiro Ando, Mitsunori Hino, Koichi Hagiwara, Akihiko Miyanaga, Masahiro Seike, Kaoru Kubota, Akihiko Gemma
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Journal Title
Thoracic cancer
Volume: 11(7)
Pages: 1876 - 1884
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Immune checkpoint inhibitor-associated interstitial lung diseases correlate with better prognosis in patients with advanced non-small-cell lung cancer.2020
Author(s)
Teppei Sugano, Masahiro Seike, Yoshinobu Saito, Takeru Kashiwada, Yasuhiro Terasaki, Natsuki Takano, Kakeru Hisakane, Satoshi Takahashi, Toru Tanaka, Susumu Takeuchi, Akihiko Miyanaga, Yuji Minegishi, Rintaro Noro, Kaoru Kubota, Akihiko Gemma
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Journal Title
Thoracic cancer 2020年4月
Volume: 11(4)
Pages: 1052 - 1060
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] ドライバー遺伝子異常肺癌の薬剤耐性機序における長鎖ノンコーディングRNAの意義2020
Author(s)
高橋 聡, 野呂 林太郎, 吉川 明子, 中道 真仁, 菅野 哲平, 松本 優, 武内 進, 平尾 真季子, 松田 久仁子, Zeng Chao, 浜田 道昭, 久保田 馨, 清家 正博, 弦間 昭彦
Organizer
日本呼吸器学会
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[Presentation] 肺癌・転移性腫瘍に対する新しい診断・治療法 間質性肺炎合併肺癌の分子メカニズムの解明と新規治療戦略の探索2020
Author(s)
福泉 彩 , 野呂 林太郎 , 宮永 晃彦 , 功刀 しのぶ , 平尾 真季子 , 松田 久仁子 , 峯岸 裕司 , 西脇 一尊 , 森本 誠弘 , 本橋 春香 , 臼田 実男 , 大和田 勇人 , 久保田 馨 , 清家 正博 , 弦間 昭彦
Organizer
第58回日本癌治療学会総会
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[Presentation] トポイソメラーゼ阻害薬耐性小細胞肺癌に対するABCトランスポーター阻害薬の効果2020
Author(s)
大森美和子, 野呂林太郎, 松田久仁子, 平尾真季子, 清水理光, 高野夏希, 福泉彩, 久金翔, 恩田直美, 高橋聡, 中道真仁, 菅野哲平, 峯岸裕司, 久保田馨, 清家正博, 弦間昭彦
Organizer
日本肺癌学会総会
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[Presentation] 肺原発肉腫様癌における化学療法の有効性および安全性の検討(HOT1201/NEJ024)2020
Author(s)
大泉聡史, 大泉聡史, 高村圭, 高村圭, 原田敏之, 原田敏之, 立原素子, 立原素子, 森川直人, 森川直人, 本田亮一, 本田亮一, 渡部聡, 渡部聡, 朝尾哲彦, 朝尾哲彦, 國崎守, 國崎守, 福原達朗, 福原達朗, 野呂林太郎, 野呂林太郎, 菊地英毅, 菊地英毅, 津谷康大, 津谷康大, 天満紀之, 天満紀之, 小林国彦, 秋田弘俊
Organizer
日本肺癌学会総会
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[Presentation] 肺多形癌におけるPD-L1,MET,EMT関連分子の発現および予後に関する病理学的検討2020
Author(s)
久金翔, 清家正博, 菅野哲平, 功刀しのぶ, 清水理光, 高野夏希, 大森美和子, 福泉彩, 恩田直美, 高橋聡, 中道真仁, 峯岸裕司, 野呂林太郎, 臼田実男, 久保田馨, 弦間昭彦
Organizer
日本肺癌学会総会
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[Presentation] A prospective, phase II trial of low-dose afatinib monotherapy for patients with EGFR, mutation-positive, non-small cell lung cancer (TORG1632)2020
Author(s)
R. Noro, S. Igawa, A. Bessho, T. Hirose, S. Tsuneo, M. Nakashima, K. MInato, N. Seki, T. Tokito, T. Harada, S. Sasada, S. Miyamoto, Y. Tanaka, N. Furuya, T. Kaburagi, H. Hayashi, H. Iihara, K. Naoki, H. Okamoto, K. Kubota
Organizer
EUROPEAN SOCIETY FOR MEDICAL ONCOLOGY 2020 Virtual
Int'l Joint Research
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