2018 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of brain plasticity mechanisms by systems neurophysiology and MRI research with awake macaque monkeys
Project/Area Number |
17KK0180
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
吉田 篤司 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 基礎科学特別研究員 (90755571)
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Project Period (FY) |
2018
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Keywords | 脳可塑性 / システム神経生理学 / MRI / マカクサル |
Outline of Annual Research Achievements |
ルールを学習することや技術を習熟することは日常生活や社会生活を効率的に、問題なく営む上で重要であり、これらは脳の可塑性により実現されると考えられている。また、脳卒中のように脳が損傷されたあとにリハビリテーションなどで機能が回復する際にも脳の可塑性が関与する。しかしながら脳可塑性のメカニズムについては依然として解明されていない部分が多い。申請者はヒトと相同の脳を持つマカクザルの脳損傷実験と麻酔下での磁気共鳴画像法(Magnetic Resonance Imaging: MRI)を組み合わせ、障害後の機能回復に関与する脳ネットワークの検出と脳可塑性メカニズムの解明を目的に研究を行っていた。しかし、麻酔下でのMRI撮像には麻酔薬の影響を除外できない、行動課題とMRI撮像を同時に行うことができず、機能欠落や機能回復時に脳内でどのような変化が起こっているか観察できない、といった問題点がある。 本課題ではまずMRI実験を行う前に、サルに複数のフラクタル図形を提示し、それぞれのフラクタル図形で報酬量が異なることを学習させ、眼球運動にて図形を選択させる課題を行った。学習後、大脳基底核淡蒼球外節に局所的に薬剤を注入し、同部への投射を局所的に遮断することでどのような行動変化が起こるか観察した。薬剤注入後サルの反応が遅延したことから同部が行動選択の促進に関与していることが示された。この研究結果は2019年度の北米神経学会にて発表を行う。 今後は学習過程に関与すると考えられる脳部位に対して薬剤を注入することにより学習が阻害されるかどうか、また学習過程や薬剤による不活化を行っている際にMRI撮像を行い、脳内でどのような変化が生じているかを観察する。これらの研究を行うためには更に時間を要するため、申請者は米国NIHに異動することとした。そのため本課題はやむなく廃止することとしたが、研究は発展的に継続する。
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Research Products
(3 results)