2018 Fiscal Year Research-status Report
DNAメチル化調整による神経堤様MSCスフェアの分化能制御
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17KK0182
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
新部 邦透 東北大学, 大学病院, 助教 (50468500)
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Project Period (FY) |
2018 – 2019
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Keywords | HDAC3阻害 / 歯原性間葉 / 象牙芽細胞 / セメント芽細胞 / 歯根成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
本国際共同研究は、骨組織のエピジェネティクス研究の第一人者である米国 Mayo Clinic 整形外科の Westendorf 教授との共同研究により遂行した。研究室では、各種 HDAC を細胞選択的にノックアウト(CKO)できるマウスを数種類保有している。申請者は、長管骨に発生異常をきたすトランスジェニックマウス (Osterix-cre/ Floxed-Hdac3) (Razidlo et al. Plos One, 2010)を用いた顎骨領域の予備解析を行った経緯がある。マウス顔面頭蓋の μCT 解析から、この CKO マウスの顎骨及び切歯・大臼歯歯根に劣成長が確認できた。そこで本申請ではさらに、計画1:各種 CKO マウスの歯・顎骨を μCT・免疫組織染色にて形態学的・組織学的に解析し、 HDAC 阻害(CKO)の影響を解析し、標的細胞を同定できるのではないかと考えた。さらに計画2:標的細胞や神経堤様 MSC スフェアに HDAC インヒビターを添加することで、分化能・増殖能に変化が生じるかを比較解析することを目的とし、標的細胞の増殖や分化をHDAC阻害剤を用いて制御する技術確立を目指している。 渡航中はこの CKO マウスの解析、および象牙芽細胞ラインおよびセメント芽細胞ラインを入手し、HDAC 阻害剤の添加実験を行い、HDAC 阻害の直接的な影響を受ける標的細胞の同定を試みた。つまり、計画1および計画2をほぼ同時進行で進めることが可能であったため、in vitro および in vivoのデータを相互に比較検証し、歯原性間葉に対するHDAC阻害の影響を考察することができたと考えている。これまでのところ、HDAC3阻害剤の添加は、セメント芽細胞の分化を制御している可能性があり、歯根の長さを人為的に制御できる可能性を見出している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた標的細胞同定(計画1)と細胞へのHDAC阻害剤添加(計画2)をほぼ同時進行で進めることができ、計画していたよりも進展は早い状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はさらに、我々が独自に開発した神経堤様細胞塊(特願:2017-83483, PCT/JP2018/16321) へHDAC阻害剤を添加し、歯原性間葉細胞の分化方向の制御や細胞増殖の制御性を検証していく予定である。
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