2019 Fiscal Year Research-status Report
ストレスセンサーKeap1による転写因子Nrf2活性制御機構の解明
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17KK0183
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 隆史 東北大学, 医学系研究科, 講師 (70508308)
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Project Period (FY) |
2018 – 2020
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Keywords | Keap1 |
Outline of Annual Research Achievements |
Nrf2は酸化ストレス・異物代謝に関わる遺伝子群を統一的に制御して、生体防御に働く転写因子である。Nrf2は、非刺激下ではKeap1-Cul3を構成因子とするユビ キチンリガーゼ複合体によりユビキチン化され、プロテアソームにより迅速に分解されている。Keap1はセンサー分子として機能し、酸化ストレス刺激を感知するとNrf2のユビキチン化反応を停止する。その結果、安定化したNrf2は核内に蓄積して種々の標的遺伝子の転写を活性化する。Keap1分子は複数のシステイン残基をセンサーとして保持し、それらを使い分けて多様なストレス刺激に対する応答を可能にするが、これらのシステイン残基の使い分けの分子機構の詳細はよくわかっていない。本研究では、ストレス応答におけるNrf2活性化の分子基盤の解明を目指す。 2019年7月に、英国と米国の共同研究者の研究室をそれぞれ訪問し、具体的な研究方針や実験内容について打ち合わせを行った。2019年11-12月と2020年2月に英国を訪問し、新規Keap1-Nrf2相互作用阻害剤を用いたFRET(Fluorescence Resonance Energy Transfer)解析を行った。この解析により、数種類のKeap1-Nrf2相互作用阻害剤が細胞内で実際に相互作用を阻害することを明らかにした。また、米国には、私たちが作製したKeap1センサーシステイン残基の点変異遺伝子改変マウスを供与して共同研究を実施することにした。米国へマウス輸送を行い、先方の研究室にマウスを導入ことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年3月にも渡航予定であったが、コロナウイルス感染の拡大により、中止をした。また、2021年度に渡航計画を立てていたが、現在までに渡航の目処が立っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に英国を訪問し、新規Keap1-Nrf2相互作用阻害剤の解析を引き続き実施することを計画している。また、米国にもKeap1ストレスセンサーの遺伝子改変マウスの解析の進捗および結果について打ち合わせを行う計画をしている。ただし、コロナウイルス感染の拡大により、具体的な渡航スケジュールの目処が立っていない。
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Research Products
(8 results)