2021 Fiscal Year Annual Research Report
Regulation of transcription factor Nrf2 activity by the stress sensor Keap1
Project/Area Number |
17KK0183
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 隆史 東北大学, 医学系研究科, 講師 (70508308)
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Project Period (FY) |
2018 – 2021
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Keywords | Keap1 |
Outline of Annual Research Achievements |
Nrf2は酸化ストレス・異物代謝に関わる遺伝子群を統一的に制御して、生体防御に働く転写因子である。Nrf2は、非刺激下ではKeap1-Cul3を構成因子とするユビキチンリガーゼ複合体によりユビキチン化され、プロテアソームにより迅速に分解されている。Keap1はセンサー分子として機能し、酸化ストレス刺激を感知するとNrf2のユビキチン化反応を停止する。その結果、安定化したNrf2は核内に蓄積して種々の標的遺伝子の転写を活性化する。Keap1分子は複数のシステイン残基をセンサーとして保持し、それらを使い分けて多様なストレス刺激に対する応答を可能にするが、これらのシステイン残基の使い分けの分子機構の詳細はよくわかっていない。本研究では、ストレス応答におけるNrf2活性化の分子基盤の解明を目指す。 2020年度は COVID-19の影響で渡航が全くできず、2021年度まで研究機関の延長を行ったが、2021年度も引き続き、英国および米国への渡航を行うことはできなかった。そのため、Keap1-Nrf2タンパク質間相互作用阻害剤の作用機序について英国および日本それぞれで分担して解析を進め、その成果をiScience誌に発表した。英国ではCellular Thermal Shift Assay (CETSA)を行い、Keap1-Nrf2タンパク質間相互作用阻害剤のPRL-295が細胞内においてもKeap1と相互作用することを示した。また、日本ではマウス投与実験を行い、PRL-295が動物個体においてもNrf2を活性化し、アセトアミノフェンによる肝障害に対する保護作用があることを明らかにした。
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Research Products
(6 results)