2018 Fiscal Year Research-status Report
mTORC2/c-Myc経路を介した新たな骨格筋運動適応メカニズムの解明
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17KK0192
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
小笠原 理紀 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10634602)
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Project Period (FY) |
2018 – 2020
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Keywords | 筋収縮 / mTORC2 / Rictor / c-Myc / 遺伝子改変マウス / AAV / ミトコンドリア / エネルギー代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、不明な点の多いレジスタンス運動による骨格筋適応メカニズムにおけるmTORC2/c-Mycの役割について明らかにすることを目的としている。 本年度は海外共同研究者が所属するコペンハーゲン大学に滞在し、骨格筋特異的なRictor欠損マウス(mTORC2抑制マウス)を対象としてレジスタンス運動モデル(麻酔下のマウスに電気刺激により最大筋収縮を引き起こすモデル)を用いて実験を行った。その結果、mTORC2抑制マウスでは筋収縮による筋タンパク質合成の増加は抑制されなかったが、c-Mycタンパク質の増加が一部抑制された。したがって、mTORC2は筋収縮による筋タンパク質合成の増加に関与しないものの、筋収縮によるc-Mycタンパク質の増加の一部はmTORC2の活性化を介したものであると考えられた。 次に、筋収縮によって増加するc-Mycの役割を明らかにするために、骨格筋においてAAVベクターを用いてc-Mycタンパク質を過剰発現させたところ、筋タンパク質合成に関わる因子や骨格筋量に変化は見られなかったが、糖代謝と酸化的リン酸化に関わる一部のタンパク質の発現量増加が観察された。 以上から、レジスタンス運動はmTORC2の活性化を介してc-Mycを増加させること。また、c-Mycはレジスタンス運動による筋タンパク質合成の増加や骨格筋肥大適応には関わらないが、糖代謝や酸化的リン酸化などのエネルギー代謝の改善に関与する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
渡航先において予定していた実験が予定通り進んだため。
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Strategy for Future Research Activity |
サンプリングした試料について、引き続き解析を進める。特にmTORC2/c-Mycの筋タンパク質合成とエネルギー代謝における役割を明らかにする。
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