2019 Fiscal Year Research-status Report
Improtance of Golgi function in the pathogenesis of dementia and related diseases
Project/Area Number |
17KK0197
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
松崎 伸介 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (60403193)
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Project Period (FY) |
2018 – 2020
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Keywords | SUMO1 / SUMO2 / 凝集物伝播 / 神経変性疾患 / 認知症 / メチル化 / タンパク質翻訳後修飾 |
Outline of Annual Research Achievements |
1:現在ターゲットとしている認知症関連因子群(TDP-43 など)がSUMO化修飾およびメチル化修飾を受けるかどうかを確認する必要がある。これまで免疫沈降法を用いた結合確認を進めていたが、非特異的なバンドが多く出現するためクリアな結果を得られていなかった。そのため、SUMO化についてはニッケルカラムを用いたタンパク間の相互作用を確認実験を推進している。現状で、いくつかの候補因子でのSUMO化は特定されているが、SUMOアイソフォームでの違い等については明確な差が得られておらず、これらについては機能的な影響を中心に検討を進めている。 2:候補因子タウタンパク質については、SUMO1/SUMO2の修飾の違いによる凝集様式への影響を示唆するデータを細胞を用いた検討で得た。これらの結果を踏まえて、ヒトレベルでの影響を検証するため、患者脳サンプルを用いたSUMO1/SUMO2の染色状況の違い、患者脳でのSUMOアイソフォーム発現レベルへの影響についての検討を進めている。 3:候補因子FUSについては免疫沈降を実施するうえで使用しやすい発現ベクターならびにウィルス作成用ベクターなどの作成を進めている。 4:候補因子群が翻訳後修飾により発現レベルで影響を受けるのか否かを検討するため、脳内での発現レベルの確認をモデル細胞を用いて実施したところ、SUMO化修飾により候補因子の一つSigma1受容体の発現レベルが変動することを明らかとした。現在、Sigma1Rの局在・機能への影響について検討するためSUMO発現マウス脳サンプルを用いた免疫染色に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大学側の教員に欠員が出たこともあり、2019年度の講義日程が過密となったため、予定していたトロントでの研究期間が短縮されたため少し遅延が生じている。ただし、全体としては予定に近い研究実施状況と考える。ただし、2月に講義のため一時帰国し、3月から再度トロントにて研究を実施する予定であったが、コロナウィルスのため渡航禁止となっており、次の渡航計画が立たないため、その期間での実施予定内容に大幅な遅延が生じている。今後長期にわたりめどが立たない場合は、日本での実施体制を整えることで対応予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究予定としては、脳内凝集物のシーズとなるタンパク質が伝播する際に、SUMO化、メチル化がどのような影響を示すのかを明らかとするため、シーズタンパク質の脳内への投与(注入)を実施し、凝集伝播機構への影響を病理学的検討により確認するとともに、行動学的影響についても検証を進めていく予定である。
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