2021 Fiscal Year Research-status Report
Improtance of Golgi function in the pathogenesis of dementia and related diseases
Project/Area Number |
17KK0197
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Research Institution | Morinomiya University of Medical Sciences |
Principal Investigator |
松崎 伸介 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 教授 (60403193)
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Project Period (FY) |
2018 – 2022
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Keywords | SUMO1 / SUMO2 / 神経変性疾患 / タンパク質翻訳後修飾 / 認知症 / 進行性格上性麻痺 / Tauタンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
Covid-19 感染症拡大のため、海外渡航が困難となり、受け入れ側研究機関(トロント大学)での研究実施が当面不可能な状況となった。そのため、当初予定していたトロント大学での研究実施を変更し、日本国内で出来る関連研究テーマ(認知症とSUMO化)への変更が余儀なくされた。 可能な限り日本国内で研究を実施すべく国内共同研究機関および学内の環境整備を行い、国内で可能な内容については国内で実施した。また、一部必要な脳サンプル(免疫染色用の切片)等については、トロント大学から送付いただくなどの工夫をし対応した。 当初の計画では、TDP-43、FUS、Scyl-1などに対する検討が中心であったが、当初の計画にも候補因子として列記しており、神経変性疾患アルツハイマー病や進行性格上性麻痺の発症に関わるTauタンパク質のSUMO化修飾に対する検討を行うこととした。 本研究により、進行性格上性麻痺等で認められるTauによる神経病理像の出現にha SUMO1による修飾が非常に重要であり、SUMO2,SUMO3による修飾は、SUMO1と拮抗することで病態改善に作用する可能性を示した。すなわち、多くの神経変性疾患で報告されているTauタンパク質の凝集物が誘導するTauopathyと呼ばれる病態の制御にSUMO化修飾が深く関与していることを報告した。本論文は、国際誌Molecular Neuroniology誌に受理された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
Covid-19の影響で海外渡航が禁止されたことや、予定受け入れ研究機関(トロント大学)での研究実施体制も制限されていたため、当初予定していたトロントでの研究活動実施が困難・不可能であった。 上記状況への対応として国内実施に向けた準備態勢を整える必要があったが、前職からの異動があり新たな環境での研究体制構築が必要となったこと、現職場でもCovid-19の影響から立ち上げが困難であった。以下詳細を記載する。 詳細としては、①現所属が医療系大学であり、医師という立場上、地域貢献活動としての職域接種への協力が必要となり、延べ時間として1か月半から2か月程度の終日ワクチン接種当番を担当となったこと、②異動前に比べて担当講義コマ数が増えたこと、③同居家族がCovid-19に感染、私自身は陰性であったが濃厚接触者となったため、保健所等からの指導で、大学・研究施設に1か月弱立ち入り(出勤)禁止となったこと、などのため研究実施に割り当てることができる時間が物理的に少なくなっていたため、研究遂行に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
現所属および前所属(大阪大学)先での研究実施体制を整え、極力国内で実施可能な研究内容を中心に推進する。 トロント大学での研究実施可能時期を調整し、2022年度夏を中心に渡航を予定している。事前打ち合わせを行い、現地サンプルを使用して実施する必要な検討項目をリストアップし、許可を頂いた期間を中心に効率よく研究を推進することで、許容される滞在期間で短期間に研究を完了させられるように調整する。現状としては、夏季に渡航しトロント大学で研究実施を行うことは、共同研究者のPaul Fraser教授から許可を得ている。
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