2022 Fiscal Year Annual Research Report
GTP Metabolism in Epithelial-Mesenchymal Transition
Project/Area Number |
17KK0199
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田畑 祥 大阪大学, 蛋白質研究所, 特任講師(常勤) (30708342)
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Project Period (FY) |
2018 – 2022
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Keywords | 上皮間葉転換 |
Outline of Annual Research Achievements |
上皮間葉転換(Epithelial-Mesenchymal Transition: EMT)は、がん転移において重要なプロセスの一つで、上皮細胞(細胞接着能の高い)が間葉系細胞(細胞 接着能が低く、運動能が高い)に変化する現象である。EMTを獲得したがん細胞は極性の喪失、移動・浸潤能が亢進し、がんの転移に大きく貢献する。我々は、トランスクリプトームとメタボロームを組み合わせた多層オミックス解析によって、EMTに重要な酵素を同定した。これまでの検討で、アミノ酸代謝酵素であるProlyl 4-Hydroxylase Subunit Alpha 3(P4HA3)、Arginase 2(ARG2)、Alanyl Aminopeptidase, Membrane(ANPEP)および、核酸代謝酵素であるcytidine-5'-triphosphate synthetase (CTPS)がEMTの進行に重要なことを見出しており、それらの分子メカニズムについて解析を進めている。 2022年度は、EMTにおけるCTPSの役割について解析した。CTPSはuridine triphosphate (UTP) からcytidine triphosphate (CTP)に変換させる酵素であることから、UTPおよびCTP関連代謝物質がEMTに関与するか検討を行った。EMT誘導条件でCTPSノックダウンして、包括的な代謝(メタボローム)解析を行ったところ、予想と反して、UTPおよびCTP関連代謝物質の変化は少なかった。一方、EMTで誘導されるタウリンの減少が、CTPSノックダウンで完全に抑制された。タウリンはEMTを抑制することが報告されており、CTPSはタウリンの減少を介して、EMTを促進することが示唆された。本CTPSの検討は、今後、論文化を行う。
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Research Products
(4 results)